緊張の糸が切れる ページ8
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結婚した当初は左京も気を使ってアタシに合わせてくれてたけど、ケンとか莇とか槙田とか、それこそ左京に教えて貰って、最近はちょくちょく極道用語を使ってる。臣以外は一般人じゃないから左京も気が抜けてたんだろう。一応臣も元ヤンだし。
「一緒に過ごしてるからか、正直左京さんがヤクザだって事忘れてました」
「おい」
「ふ、それでアタシは何すればいい?」
「しばらくは俺か迫田について行動しろ」
「分かった」
「臣も寮のやつに伝えておけ」
「分かりました」
「アニキ!着きやした!」
「ああ。お前ら行くぞ」
「うん」
門を潜って中に入る。
左京が会長に事を伝えに行った。
アタシ達はそのまま客間に向かう。
アタシとケンだけなら下っ端達の所に向かうけど、今は臣が居るからこっち。
臣がいづみに連絡をする。
アタシがストーキングされている事。
その関係でアタシが寮にしばらく居座る事。
直ぐに快諾してくれた。
臣曰く、いづみはひどく心配していたらしい。
何だか申し訳ない。
いづみの方からみんなに連絡しておくらしいけど、秋組にもLIMEで連絡した。
案の定めちゃくちゃ心配された。
一人一人に返信し終わるとドアの向こう側から声をかけられた。
「ここにいるか」
「うん」
「会長が呼んでる」
広間に向かう。
数人のヤクザとチンピラ、それから会長。
報告を終えて寮に向かう。
「なんだか、映画のワンシーンを観てるみたいだった」
「分かる」
「そういう割にはAは慣れたみたいだったけど」
「左京の妻として当然」
「はは、惚気をありがとう」
寮に着くまで臣とじゃれつく。
左京と握った手はいつもよりもキツい。
「なんか眠たくなってきた」
「…もう少しで着くぞ」
「………うん、がまんする」
左京が黙って頭を撫でてくれる。もっと眠たくなるからやめて欲しい。凄い嬉しいけど。
「ほら、着いたぞ」
「……うん」
「はは、左京さんは先に部屋に行ってきていいですよ。俺は先に談話室に行ってるので」
「頼んだ」
「さきょう…ねむたい」
「分かったから」
足元が覚束無い。
左京が引っ張ってくれるからなんとか歩けてるけど一人だと無理。
やっと事で左京の部屋に着いた。
なんとかロフトに登って毛布にくるまる。
左京が頭を撫でてくれる。その温かさでアタシはまぶたの重さに耐えきれなくなり、そのまま深い眠りについた。
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勘久朗 - 左京さんをパパにして至さんを弟にして真澄を彼氏にしたい。 (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
勘久朗 - ヤバイ・・・好き・・・吐血する・・・真澄も左京もかっこよすぎ・・・真澄も左京も純愛・・・嫁にしたい・・・てか至さんの世話したい・・・(通常運転) (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 「解釈の一致」ってこういう事なんだなって思いました。尊いおぶ尊い。最高です。そして秋組もかわいい。読んでて心がきゅんきゅんしました。ありがとうございます。 (2019年3月19日 3時) (レス) id: ee1f3c5304 (このIDを非表示/違反報告)
しゆにだ(プロフ) - あぁ、左京さんとこんな恋したい。パパほしい。ほんとに夢のようだった ありがとうございました!!これからも頑張ってください! (2019年1月16日 21時) (レス) id: cc0fafd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - 左京さんの優しさとかっこよさ、満開カンパニーのみんなの優しさが伝わってくる小説でした!更新頑張ってください!応援してます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 07636e0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡椒 | 作成日時:2018年4月22日 1時