だから早くアタシの所に帰って来て ページ41
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「ったく、リーダーヅラしやがって」
「はは!事実っしょ。何?もしかして左京さん照れ…」
「……ほう、殴られてぇのか」
指をポキポキ鳴らしてる左京に、万里も口元が引くついている。頭を掻きむしると、今日の朝食であるパンを食べながら、「いってきまーす」と慌てて扉を開けて出ていった。
一通りの流れをぼんやり見てたアタシは食後の牛乳を飲みながら笑った。臣もそれは同じようで、向かいに座って面白いものを見るように笑った。
流石に左京も居心地が悪くなったのか、鞄を取ってくると言って部屋に戻って行った。
「ふふ、左京かわいいすき」
「はは、図星を刺されて逃げたな」
「うん。左京は何時になっても素直じゃないから。…ほら、鞄もちゃんとソファーに置いてたのに」
「はははっ、朝から弄られてる左京さん見られるの面白いな」
「結構臣もSっ気強い」
「そうか?」
臣は時々無意識なのかそうじゃないのか分からないくらい意地悪になる。爽やかなのが変にムカつく。
それにしても。万里が出ていった扉をぼんやり眺める。
「すっかりリーダーらしくなった。前からそうだったけど」
「そうだな。はは、頼もしいリーダー様だよ。あ、そろそろ他の人達も起こさないとな」
水道の水を止めると手を拭き、談話室から臣が出ていった。臣の主婦度が凄い。アタシも見習わないと。
出ていった臣と入れ替わる様に左京が帰ってきた。そろそろ時間か。足元に置いてあった鞄を左京に差し出すと、やけに芝居掛かった口調でここにあったのか。とか言い出した。
それに少し吹き出すと、頬を摘まれた。
「ふぇれふぇるさひょーかわいかっは」
「それ以上言うな」
「ふふ」
「はぁ……そろそろ行ってくる」
頬を摘んでいた手を離し、そのままアタシの頭に手を置くように撫でた。
はぁ…微笑んでる左京かっこいい。無理、しんどい。好きすぎる。
「ん、いってらっしゃい」
「ん。いい子にしてろよ」
「当たり前」
「ふ、そうか」
くるりと背を向けようとする左京の襟元を掴んで引っ張った。そのままの勢いで唇を奪う。
少し眼鏡が当たって痛いのはご愛嬌。
「……忘れ物」
「小生意気なことしやがって」
「嫌いじゃない癖に。…ほら、本当に時間無くなっちゃうから早く行って」
本当に時間無いのに。左京はジーっとこちらを見詰める。かっこいいのはわかる。
「行ってもいいのか?」
「そういうこと?」
「悪いか?」
「そんな左京も好き。」
──
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勘久朗 - 左京さんをパパにして至さんを弟にして真澄を彼氏にしたい。 (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
勘久朗 - ヤバイ・・・好き・・・吐血する・・・真澄も左京もかっこよすぎ・・・真澄も左京も純愛・・・嫁にしたい・・・てか至さんの世話したい・・・(通常運転) (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 「解釈の一致」ってこういう事なんだなって思いました。尊いおぶ尊い。最高です。そして秋組もかわいい。読んでて心がきゅんきゅんしました。ありがとうございます。 (2019年3月19日 3時) (レス) id: ee1f3c5304 (このIDを非表示/違反報告)
しゆにだ(プロフ) - あぁ、左京さんとこんな恋したい。パパほしい。ほんとに夢のようだった ありがとうございました!!これからも頑張ってください! (2019年1月16日 21時) (レス) id: cc0fafd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - 左京さんの優しさとかっこよさ、満開カンパニーのみんなの優しさが伝わってくる小説でした!更新頑張ってください!応援してます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 07636e0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡椒 | 作成日時:2018年4月22日 1時