ツボった凹凸 ページ17
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「戻った。Aは?」
…返事がない。もしかして俺の部屋に移動したのか?
「左京さん、こっちです」
「あ?…ああ、寝てんのか」
「はい」
Aはガタイのいい野郎達に囲まれていた。なんでそんな所にいるんだ。
兵頭の肩に寄りかかってやがる。…何故だ。
反対側にいた摂津が移動したからそこへ座る。
ったく、そんな顔して他の男に寄り掛かってんじゃねぇ。
「……さきょ、う…」
「あ?なんだ」
「……」
「チッ。…寝てやがる」
浅めに座り、兵頭の肩からAを奪う。そのまま頭を撫でる。
「すげぇ…俺がそれやろうとしても絶対に動かなかったのに…」
「流石左京兄ぃッスー!」
「そうか」
少しの優越感。と、同時に兵頭への気の緩み方が気に食わない。
「…例のストーカーについてだが、」
「何か進展したんですか?」
「ああ。…どうやら、廃ビルに屯ってるらしい」
「廃ビルに…」
「詳しい事は聞かされてないが、来週までには仕置きが始まるらしい」
「良かった…」
「Aだけじゃなく、他の姐さん方も狙われていたらしくてな。会長もご立腹だ。死ぬよりも辛い仕置きだろーよ」
「…自業自得っすね」
「そういうわけだ。残党がいるかもしんねぇ。気を付けろ」
「うっす」
「はいっス!」
「はい」
「はいはい」
「うぃーす」
「ところで左京さん、Aっていつもあんな感じなんですか?」
「あ?なんの事だ」
「左京さんが居ないと寂しいって。だから俺達がここに集まってたんです」
「…は?」
「…って事は知らなかったんですね」
苦笑いの伏見。
つまり、Aは俺が事務所に行った事によって寂しいと思い、秋組の奴らを侍らせてたのか。
「左京兄ぃとA姉ぇアツアツっスね!」
「…」
眼鏡を上げた。
顔が熱い気がする。
「…寂しい思いをさせてたのか」
「あ、あからさまに話をかえた」
「ああ?うるせぇぞ摂津」
「は?マジかよ」
「あはは」
「ふ、」
「ははは」
「…何笑ってやがる」
「ははっ、Aの無茶振りで十座が左京さんの真似をする事になったんですけど、それを万里が煽って。…ふ、はは」
「それで、十座サンが“ああ?うるせぇぞ摂津”って言ったんス!そしたらA姉ぇが、左京兄ぃもきっと同じ事言うって!」
「…そういう事か。まんまと摂津に乗せられたな」
「えー、俺っすか?」
ツボに入ったらしい凸凹コンビ。
そんなに笑うことか?
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勘久朗 - 左京さんをパパにして至さんを弟にして真澄を彼氏にしたい。 (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
勘久朗 - ヤバイ・・・好き・・・吐血する・・・真澄も左京もかっこよすぎ・・・真澄も左京も純愛・・・嫁にしたい・・・てか至さんの世話したい・・・(通常運転) (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 「解釈の一致」ってこういう事なんだなって思いました。尊いおぶ尊い。最高です。そして秋組もかわいい。読んでて心がきゅんきゅんしました。ありがとうございます。 (2019年3月19日 3時) (レス) id: ee1f3c5304 (このIDを非表示/違反報告)
しゆにだ(プロフ) - あぁ、左京さんとこんな恋したい。パパほしい。ほんとに夢のようだった ありがとうございました!!これからも頑張ってください! (2019年1月16日 21時) (レス) id: cc0fafd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - 左京さんの優しさとかっこよさ、満開カンパニーのみんなの優しさが伝わってくる小説でした!更新頑張ってください!応援してます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 07636e0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡椒 | 作成日時:2018年4月22日 1時