ラブソングという名の告白 ページ1
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「えー、俺達は時間が無い人でも分かる3回公演を左京さん抜きで演じまーす」
意味が分からない。
省略に省略した結果ただのネタ作品になってた。流石に支配人が左京役をやったのは笑いを耐えられなかった。衣装ないから普段の格好だったし。
「馬鹿か」
「ほら、真打登場しないの?流れ者の風間銀二さん」
「仕方ねぇ。やれるのはあっししかいねぇか」
偶然にも左京の格好は銀二の格好をしている。あの時秋組を中心に驚いたのはそういう事だろう。
みんな3回公演の着てたし。莇は客演のを着てる。
「あっしの龍が毎晩鳴くんですよ。
てめぇみてぇな野郎を見ると、
食い殺してやりてえってな!」
5分もない短い演劇。それでもこれが秋組だって伝わった。本当にかっこいい。こんなに近くで観れるなんて。
「ああ、銀二がかっこいい」
「どうだった」
「かっこよすぎる」
抱き着いて顔を隠す。
冷やかしの声が周りから聴こえるけど、そんな事気にしてられない。本当に無理。
「ふ、顔赤いな」
「左京の銀二本当にかっこいい。すき。でも左京が1番格好いいから無理。しんどい」
「はいはい」
「はい!これで余興が終わりでーす!次は新婦からの挨拶です」
席を立つ。左京にもどんな内容を話すか伝えてない。これはサプライズ。
「左京の家族はここにいる全員だとアタシはそう、思ってる。別に今更言うことないから、思い切って惚気ようと思います。準備があるから待って」
ザワつく会場。
着物にギターとか和洋折衷もいいところだけど。
左京の為に歌う。
ギターは独学だからとてもじゃないけど沢山のコードは弾けないし、直ぐに別のコードを弾くのは難しい。
でも、歌うのは楽しい。
「…アタシからは以上。支配人」
「え、あ!次はぁ、新郎からの挨拶ですぅ」
なんでそんなに泣いてるの。
左京と二人で舞台の真ん中に立つ。
「…特大の爆弾を貰ってしまったな。…本当に俺には勿体無い様な本当に素敵な奥さんだ。俺はA程器用じゃねぇ。むしろ不器用だ。だからあまり自分の事を口に出来ねぇ。…それでもAと同じ時を歩んで行きてぇと思った。俺が内気で臆病でどんなに惨めになってもAは俺の傍にに居てくれた。だから今度は俺がAの傍で護ってやりたいと思う。Aは俺のモンだ。夫婦共々、これからもよろしく頼む。以上」
手を繋いで二人してお辞儀をする。
泣き笑いと冷やかしの声が聞こえた。
「これにて披露宴の閉幕と致します」
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勘久朗 - 左京さんをパパにして至さんを弟にして真澄を彼氏にしたい。 (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
勘久朗 - ヤバイ・・・好き・・・吐血する・・・真澄も左京もかっこよすぎ・・・真澄も左京も純愛・・・嫁にしたい・・・てか至さんの世話したい・・・(通常運転) (2019年11月15日 23時) (レス) id: 9175532e2c (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 「解釈の一致」ってこういう事なんだなって思いました。尊いおぶ尊い。最高です。そして秋組もかわいい。読んでて心がきゅんきゅんしました。ありがとうございます。 (2019年3月19日 3時) (レス) id: ee1f3c5304 (このIDを非表示/違反報告)
しゆにだ(プロフ) - あぁ、左京さんとこんな恋したい。パパほしい。ほんとに夢のようだった ありがとうございました!!これからも頑張ってください! (2019年1月16日 21時) (レス) id: cc0fafd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきゆき - 左京さんの優しさとかっこよさ、満開カンパニーのみんなの優しさが伝わってくる小説でした!更新頑張ってください!応援してます! (2018年11月28日 1時) (レス) id: 07636e0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡椒 | 作成日時:2018年4月22日 1時