【続】碓氷真澄の姉もサイコストーカー【A3!】

おやすみなさい ページ26

.


無事、退院した。
ギリギリお腹の子にも影響が無かったみたいだった。次はどうなるかは分からないって釘を刺されたけど。

日に日に悪阻は治まりつつある。
まさか、こんなにつわりがキツいとは思ってもいなくて、油断してた。
アタシの場合、波のように痛みが襲ってくる感じ。個人差はあれどつわりが来てから大体1〜2ヶ月でつわりが終わるらしい。
早く終わってほしい。

寮に着いて、談話室に入ると凄く心配した顔で話しかけられた。
その顔に思わず笑った。
そしたら、みんなから怒られた。
少しの罪悪感とくすぐったさ。

真澄に手を握られた。


｢姉さん…。凄く痩せてる。カントクもこうなるの｣

｢分からない。アタシの場合、脱水症状もあったから、もしいづみが水飲めなかったら病院行って点滴打ってもらえば大丈夫な筈｣

｢…分かった｣


心配そうな顔をしてる真澄の頭を撫でる。
素直。かわいい。


入院してから大分体調が良くなった。
一番酷い時に比べてかなり食欲も戻ってきた。
だから体重もちゃんと増えてきたし、お腹も膨らんできた。







今日の晩ご飯はうどんとサラダ豆腐。
サラダ豆腐は自分で用意した。乗せるだけだったけど。
左京もアタシと同じ物を食べるらしい。
流石にそれだけじゃ足りないから、臣特製の唐揚げやらニラ玉を持ってきてた。
二人の定位置となりつつあるソファに座り食べる。


｢いただきます｣

｢頂きます｣


…美味しい。あえて言うならゴマドレッシングの匂いがキツいくらい。
左京を眺めながら食べる。
持ち方が綺麗。かっこいい。すき。顔を少し横にしながら食べるのが凄く好き。かっこいい。はぁ…無理。しんどい。


｢…？ん、…どうした｣

｢左京かっこよすぎて無理。はぁ…しんどい。頭痛くなってた｣

｢おい。頭痛いのは俺のせいじゃねぇだろ。…ったく。大丈夫か｣

｢うん。それよりも左京が左京で左京だからしんどい。すき｣

｢はぁ…通常運転か。さっさと飯食って風呂入って寝ろ｣


返事をして、うどんを口に含む。美味しい。
もぐもぐしてるうちに左京は食べ終わったらしい。早い。
やっとの事で食べ終わった。ごちそうさまでした。

お腹を撫でていると、左京も手を重ねて撫で始めた。
服の上から少し膨らんでるかなって程度のお腹。お腹を蹴ったりするのはまだまだ先だけど、楽しみ。

明日は定期検診。エコーも撮るから帰ったらみんなに見せないと。

布団に入って背中越しに、左京の熱を感じながら眠った。


──

面白くて言葉につまった→←羞恥ぷれい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す