【続】碓氷真澄の姉もサイコストーカー【A3!】

きょうだい ページ14

.


｢ケン。泣いてもいいけど、事故らないでね｣

｢、へい…！｣


左京の頭を撫でる。
涙を拭う為に眼鏡をとった。
そしたら涙を拭く前に左京は肩に顔を埋めた。

左京は子煩悩になりそう。かわいい。女の子だったらお嫁に行かせいとか言いそう。出産の時は必ず立ち会うって言いそう。それで産声聴いたら左京も赤ちゃんと一緒に泣きそう。

そこまで考えて、本当に左京はやりそうだから思わず笑った。


｢左京はアタシの物だから。こどもに夢中になり過ぎないでね｣

｢Aも、俺のもんだろ…｣

｢うん。…頑張ってねお父さん｣

｢…、、わかってる、｣

｢左京いい加減泣き止んで。もうすぐ着く｣


左京にハンカチを渡す。ティッシュ箱も。
ちーんしてる。かわいい。


｢つきやした、！｣

｢まだ泣いてたの？ほら、ケンはお兄ちゃんになるんだから｣

｢オレが…オレがお兄ちゃんに…！！うう｣

｢はぁ…めんどくさい。先に行ってるからケンも泣き止んだら来て｣

｢、へ、い！｣


左京を連れて中に入る。談話室には普段よりも多い人数が集まっていた。


｢ただいま｣

｢おかえりなさい！どうでした？って言うまでもなかったね｣

｢うん。左京に泣かれたから逆に冷静になってる｣

｢ふふ、改めて妊娠おめでとうAちゃん！｣

｢…ありがとう｣


ああ、うるさい。


｢うるさい｣


静かになった。満足。


｢女の子ッスか？それとも男の子ッスか？｣

｢まだ分からないから。はいこれ｣


太一にエコー画像を渡すとみんなが太一に群がった。頑張れ太一。
左京もこの騒ぎに落ち着いたのか、二人でソファに座った。
左京は後ろからお腹をなでてる。


｢不思議な気分だ｣

｢…確かに。実感湧かない｣

｢…撫でてもいい？｣

｢もちろん。…幸はいいお兄ちゃんになりそう｣

｢お兄ちゃん…｣

｢そう。だから生まれたらよろしく｣

｢うん。分かった｣

｢ふ、すっかり母親だな｣

｢母親だから｣


揶揄ってる左京も父親の顔になってるから。はぁ…かっこいい。あーすき。しんどい。むり。


｢な、なぁ。Aさん俺は？｣

｢はいはい。万里もお兄ちゃんだから安心して｣

｢俺っちもッスか！？｣

｢そう｣


一人っ子の子達は、きょうだいが増えるという事に喜んでるみたい。
十座とか臣は兄弟がいる子達はいくらかは落ち着いてる。そういう意味では万里もお姉ちゃん居るはずなんだけど。
真澄。真澄の場合はきょうだいじゃなくて甥っ子姪っ子だから。


──

似てるキョウダイ→←｢…、ありがとう……｣

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す