第35話 ページ38
ワタル｢はは､キミも十分ドラゴン使いとしてやっていけるな｣
『流石にそれは無理ですよ』
Aはサザンドラをワシワシと撫で､ボールに戻しながら笑う
『…私､来年ジムチャレンジに出ます』
ワタル｢!｣
『お父様からも､そろそろ出ろと言われましたし…』
ワタル｢そうか…ついに出るのか｣
『はい』
Aの一言に先程までの柔らかな表情から一変して険しい表情になるワタル
『グリーン達にも言いましたけど､そういう訳で来年はワタルさんに会えません…』
ワタル｢…大丈夫かい?｣
『大丈夫ですよ』
ワタル｢本当に?｣
アーマーガアを撫でていたAの手が止まる
『…正直､わからないです』
ワタル｢…｣
『スムーズに行くとは思ってないです…どうなるかわからないです……でも､やらない訳にはいかないんです』
ワタル｢それは…｣
『はい…お父様の望み…チャンピオンに打ち勝つこと…それを成し遂げたら､私は全部をほっぽって逃げ出しますから』
ワタル｢…やはり､俺n｣
『だめです､ワタルさん達に迷惑かけるわけにはいきません…これは､私の家の問題ですから』
ワタルが言おうとした事をピタリと止める
Aの言葉にワタルは深いため息をついた
ワタル｢やっぱり…考えは変わらないか｣
『勿論…私だってもう1人で生きていけるくらいには成長しましたしね､大丈夫ですよ』
にっこりと笑うAだが､ワタルの不安な表情は消えない
そんな様子に困った様に微笑むA
『ワタルさんがそんな不安そうにしてどうするんですか!…そんなに心配しなくても何とかなりますよ､それよりもワタルさんこそお仕事忙しいんですから､ちゃんと休んでくださいね?』
じゃあそろそろ行こうか､とアーマーガアに乗ろうとするAの手を掴む
『!』
ワタル｢…何かあったら､すぐ俺の元に来るように｣
ギュッと強く､しかし痛くないようにとワタルは手を握った
ワタルの言葉に一瞬目を丸くしたが直ぐにふわりとした笑みに変わり､ワタルの手に自らの手をそっと添えるA
『はい､ありがとうございます!』
ワタル｢それじゃあ､気をつけて｣
『はい!』
ワタルとカイリューに手を振り､アーマーガアに合図を送りバサバサッと上空へ羽ばたく
沈む夕日がとても眩しかった
『急いで帰らないとね』
｢クァー｣
『…ほんと､ワタルさんは優しいなぁ』
優しすぎて心配になっちゃうよね､とアーマーガアに笑いかけながら夕日の空の中､戻りたくない家へ向かった
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ユキ - 等身大カビゴン雪だるまってw雪だるまの下り面白い (2022年10月26日 20時) (
レス) @page35 id: 785e1889ff (このIDを非表示/違反報告)
みずの - このシリーズに今まで出会えなかった事が悔やまれるほどに面白くて素晴らしい作品ですぅ....(泣)))ありがとうございますぅうう""" (2021年6月21日 14時) (レス) id: f49d756fab (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - パルキアの心の声？みたいなのがすごい好きで一人で笑ってます！ (2020年10月25日 19時) (レス) id: 2cbd1529ad (このIDを非表示/違反報告)
さたぽ - 人物紹介？なのかな？それがめっちゃ面白いんですがwwwww最高ですねwwww (2020年6月7日 13時) (レス) id: ac2614cbe5 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - もしやTRPGやってます…？SAN値チェック出てくるたびに笑いを堪えてます…！ (2020年2月29日 19時) (レス) id: cf2a49dd6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒梨 | 作成日時：2020年2月10日 19時
