第12話 ページ14
さっきとは打って変わって、人懐こそうなニカッとした笑顔でAに手を差し出すグリーンという少年
『…いいんですか…?』
グリーン「あー、なんかもういいや…つーかオマエわるいことできそうなかんじしないしな!」
『!…よろしくです…!』
グリーン「おう!」
おずおずと伸ばした手をグリーンはしっかり握り、握手する
グリーン「それで…どうしてここにきたんだ?」
『う…それが……パルキアがきゅうにつれてきたんです』
レッド「パルキアが?」
『そうです』
レッド「…それやめよう」
『え?』
レッド「そのなんか…おとなとかがつかってる…です、とかそういうの」
『えぇ?』
グリーン「さっきからオレもきになってた」
『でも…』
レッド「ボクたちとしゃべるときはふつうにしゃべって…なんか…おちつかないから…ともだちとしゃべるときそんなんじゃないでしょ?」
『ともだち…』
レッド「うん、ボクたちともだちだよ」
『…ともだち……ともだちかぁ…』
レッドの言葉を噛み締めるように呟く
はじめてだ
ポケモンじゃないヒトとのともだち
『ふふ…レッドとグリーンと…ともだち』
レッド「そうそう」
グリーン「…」
───
"ともだち"
そう言ってすごく嬉しそうに微笑むA
なんだ…ふつうに笑えるんじゃん
あの一家の跡継ぎと聞いて、コイツもあの悪いヤツと同じかと思ったけど
全然そんなことは無かった
ずっと怯えて死んだ目をしてたAだったけど(まぁそれは多分オレのせいもある)
笑った顔は普通の女の子だった
ま、まぁフツーにかわいいんじゃねぇの?
頬にあったガーゼがやけに痛々しく見えたけど…
グリーン「そんなよろこぶか?」
『はい!…じゃなくて……うん…すごくうれしい』
ヒトのともだちはこれがはじめてだから
そう言われた瞬間
かなりショックだった
オレやレッドのそう変わらない歳で
友達がいなかった…?
なんで?と聞こうとしたけどやめた
簡単だ、“マレディクシオン”の一族だからだ
オレがはじめAにとった反応…
そういうことじゃないか
『…グリーン?』
レッド「…」
グリーン「…」
レッドのヤツも多分同じ事考えてるな…
ただアイツははじめからちゃんとAをAとしてみようとした…
オレは…
グリーン「いや…オレサマがはじめてのともだちなんて、スゲーラッキーなやつじゃんって」
レッド「グリーンはにばんめだよ」
グリーン「は?なんでだよ!」
レッド「さいしょにあくしゅしたのはボクだから」
426人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ポケットモンスター」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキ - 等身大カビゴン雪だるまってw雪だるまの下り面白い (2022年10月26日 20時) (レス) @page35 id: 785e1889ff (このIDを非表示/違反報告)
みずの - このシリーズに今まで出会えなかった事が悔やまれるほどに面白くて素晴らしい作品ですぅ....(泣)))ありがとうございますぅうう""" (2021年6月21日 14時) (レス) id: f49d756fab (このIDを非表示/違反報告)
浅葱(プロフ) - パルキアの心の声?みたいなのがすごい好きで一人で笑ってます! (2020年10月25日 19時) (レス) id: 2cbd1529ad (このIDを非表示/違反報告)
さたぽ - 人物紹介?なのかな?それがめっちゃ面白いんですがwwwww最高ですねwwww (2020年6月7日 13時) (レス) id: ac2614cbe5 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - もしやTRPGやってます…?SAN値チェック出てくるたびに笑いを堪えてます…! (2020年2月29日 19時) (レス) id: cf2a49dd6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒梨 | 作成日時:2020年2月10日 19時