就任秘話38 ページ2
「一段落しましたよ。
此方へどうぞ。」
部屋の隅で座り込んでいる少女に声を掛ける。
少し緊張気味に僕の前に立った。
「僕は坂口安吾といいます。
貴女は?」
「…Aです。
あの…太宰さんは一体何を…?」
彼女の顔には困惑の色が露骨に浮かんでいる。
それもそうだろう。
混乱状態の人間を二人も置き去りにして行ってしまう太宰君に、後でたっぷりと文句を云ってやろうと決心した。
「あの人の事はあまり気にしない方が良いですよ。
…却説、僕が貴女の先生になるという件ですが。」
正直、そんな事出来る自信が無い。
そもそも、出来そうというだけで連れてくる太宰君の神経が判らない。
「………少し時間を下さい。
如何せん、急に云われた事ですし。」
「はい、わかりました…。」
彼女の心境は、僕よりも更に困惑しているだろう。
然し、残念ながら僕にはそれを解消する術は無い。
「部屋へは一人で帰れますか?」
「はい。……すみません、失礼しました。」
申し訳なさそうに謝り、部屋を出て行った。
「どうしますかねぇ…。」
明日からの事を考えると、胃が痛い。
相談出来るのは、あの人しかいないだろう。
この厄介事を押し付けて来た張本人にも会えるかもしれない。
今夜、いつものバーへ行くことにした。
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ゆっきー - 更新、とても楽しみにしてます。今までは福沢さん派でしたが、これを読んで、森さんが推しになりました。もう、森さん愛が止まりません。続きを読める事を心の底から楽しみに待っています。 (2019年3月29日 2時) (レス) id: 2fa8d71e18 (このIDを非表示/違反報告)
坂竹会長 - あの……。すごい続きが気になってしかたがありません……((更新頑張ってください。いつまでも待っていますので…!!もう、口からイチゴオレですよ((汚い。 失礼しました_;;ーд#_ (2019年1月5日 14時) (レス) id: d6f7fc00e7 (このIDを非表示/違反報告)
夢歌 - とっても面白いですね!…もう更新はしていないのでしょうか。作者様が書けるのであったら続きを書いて欲しいです。…長文失礼致しました。 (2018年10月19日 19時) (レス) id: 383b340c0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚澤 | 作成日時:2018年1月2日 23時