検索窓
今日:5 hit、昨日:9 hit、合計:20,714 hit

25 ページ25

私は思わず部屋を出て、太輔の目の前に立った。


『ごめん…ちょっと裕太と話させて、』


太「……わかった」


太輔がスマホを渡してくれて、下の階に行く。


『…裕太、』


裕《え……A?》


声だけでも分かるくらい驚いてる裕太。


でも今はちゃんと話さないと。


『…梨花、なんて?』


裕《………記憶戻ったらでもいいから付き合ってくれない、って》


『っ、、、』


記憶が戻ったら…太輔と付き合ってた事も思い出す。


『裕太……お願いしてもいい?』


裕《、うん》


私は最低な事を口に出した。


ごめんね……梨花、太輔。


2人の仲を切り裂いて。


『梨花と、、付き合ってほしいの』


裕《え…でも…》


『いいから。お願い。』


私がそう言ったら、少し時間を置いて“分かった”って。


『ごめんなさい…最低な事お願いして』


裕《…Aが辛いのは分かってるから》


裕太の優しい言葉に、涙が溢れそうになる。


…裕太を好きになれたら、どれだけ幸せだろう。


宏光を好きになれたら、どれだけ幸せだろう。


裕太とか宏光を好きになればよかった。


……1度だけでも、太輔の事を忘れて他の人を好きになってみたい。


裕《A?》


色々考えてる内に黙り込んでしまっていたらしく。


『っあ、ごめん…じゃあまたね、』


裕《ん、またな》


電話を切って太輔の部屋に戻ろうとしたら廊下に立ち尽くす太輔がいた。


『…太輔、』


太「俺…どうすればいい、?」


いつもと違う弱々しい声と、泣きそうな顔。


…こんなの太輔じゃない。


今まで見た事なかったよ、こんな顔。


梨花は凄い。小さい頃から一緒だった私が見た事なかった顔を太輔にさせる。


『、記憶が戻ったら太輔の事だっ「戻ったらっていつだよ!!」


『え……、?』


いきなり声を荒らげた太輔に思わず目を見開く。


太「っ、、一生梨花の記憶が戻らなくて、俺じゃなくてたまを選んだらどうすんだよ…」


太輔の目に涙が溜まる。


そんな姿を見て、いつの間にか抱き締めてた。


太「A…っ、、ごめんな…っ」


『いいの…いいから、大丈夫だよ…』


Aの気持ち知っててこんな事…って呟く太輔に、私は、


『…代わりでもいいの。太輔が幸せになってくれるなら何でもするから』


そう、言ったんだ。

26→←24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (43 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
148人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:本条優柚 | 作成日時:2017年3月18日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。