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“405号室 橋本梨花”


今、私は梨花の病室の前にいる。


『ふぅ……』


1回大きな深呼吸をしてドアを開ける。


『…久しぶり、』


梨「A…来てくれてありがとう、久しぶり」


精一杯笑顔をつくってベッドの隣にあるイスに座る。


……罪悪感半端ない。


梨花にとっては記憶が無くなってるから私なんて友達じゃないはずなのに、


ちゃんと友達のように接してくれる梨花の優しさ。


そんな優しさを裏切ってあんな事…ほんと、私って最低。


梨「あのね…聞いてほしい事があるの」


『え…?』


梨花の真剣な顔に自然と緊張する。


思わず背を伸ばして次の言葉を待つ。


梨「……あのね、、私、裕太君の事好きになっちゃった」


……え?


裕太って……あの、裕太?


ダメだよ、、梨花には太輔がいるんだよ。


記憶が戻った時、後悔するよ。


そう、思ったけど。


『そうなんだ!いいんじゃない?裕太いい奴だし!』


嘘、ついた。


良くなんかない。


でも何故か…本当の事言えなかった。


太輔が梨花の彼氏なんだよなんて。


梨「ほんと?良かったぁ…」


『っ、うん、』


梨花のふわっていう笑顔を見たら胸が苦しくなる。


なんでこんな優しくて純粋な人を裏切ったんだろう。


……もしかして。


『…裕太がよくお見舞いに来てくれてたから?』


梨「、うん。」


やっぱり…そうなんだ。


私が裕太にお見舞い頼んだせいで……


頼まなかったら良かったって気持ちと、


頼んで良かったって気持ちが私の中でぐるぐる回ってる。


……梨花が裕太の事をすきなんだったら太輔は片想いになる。


そしたら私にもチャンスが来る…って思っちゃって。


『……応援してるよ』


梨「ふふ、ありがとう」


嬉しそうに笑って窓の外を見る梨花。


梨「この前…裕太君が来てくれた時、景色綺麗だねって話してたんだ」


『へぇ…』


、、太輔もこの前綺麗だよなって言ってたよ。


また梨花の記憶が戻ったら2人で、展望台で見てみたいって。


そんな事…言えるわけない。


ごめん………もう少しだけでもいい、太輔のそばにいさせて。

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作者名:本条優柚 | 作成日時:2017年3月18日 4時

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