幸せ。 (ページ22)

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『え……なんで？』

太「梨花がAに会いたいって」

いつも通り太輔の家に行って、家に送ってもらってる時。

太輔から梨花のお見舞いに行ってほしいって言われて。

『でも、、私…』

太「…行ってほしい、」

『っ……分かった、』

本当は行きたくなかった。

梨花を見たら今までも強く感じていた罪悪感がもっと強くなると思うから。

けど太輔に頼まれたら断れない。

『……太輔、お見舞い行ってるの？』

太「、あんま行ってない。この事はたまから聞いた。」

やっぱり太輔も罪悪感を感じているらしく、行けていないようで。

私を“梨花”として見ている時は感じていないけど私を家に送る時とか、

私が帰った後とかに感じてるって、前言ってた。

『そっか……』

太輔には罪悪感は感じてほしくないとは思ってたけど、私を私として見てくれる時があるんだって、

少しだけ…嬉しかった。

私は所詮“梨花”にしか見えてないって、

私は所詮偽物で、代わりでしかないんだって思ってたから。

色々考えてる内に、私の家に着いてた。

『あ、ありがとう』

太「ううん、じゃ…またな」

『うん、またね』

“またね”って言葉だけで心が温まる。

けど…これから、学校の放課後までに梨花の記憶が戻ったら、

こんな事も無くなる。

私達の関係も無くなる。

きっと今までの事がまるで無かったように。

忘れられたように。