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太輔の家。
太輔の部屋。
太輔のベッド。
その日、私達は甘い夜を過ごした。
でも太輔が“梨花”って呼ぶ度、胸が苦しくなった。
ここにいるのは私だけど、太輔に想われてるのは梨花なんだって。
『え……太輔、自分が彼氏だって事言ってないの?』
太「うん...縛り付けちゃう気がして」
終わったあと、私達はベッドで言葉を交わす。
言わなかったら他の人好きになっちゃうかもよ?って思ったけど言わなかった。
最低だけど、梨花が他の人を好きになったら私にもチャンスがまわってくる、って思ったから。
『そっか...優しいね』
太「Aの方が優しいじゃん」
『え?』
太「...こういう事しても何も言わないし」
本当は言いたいよ。
私を見てって、私を梨花だって思わないでって。
けどやっぱり太輔の梨花を見る目を見ると言えなくなる。
『そんなの…優しさじゃない』
私の中は真っ黒の気持ちで溢れてる。
こうやって太輔といろんなことしてる内に私の事を好きになってくれたらって、
梨花じゃなくてちゃんと私を見てくれたらって、
...梨花の記憶が一生戻らなくて、ずっと太輔のそばにいられたらって
そんな真っ黒な、最低な気持ちが溢れてきてる。
大切な親友を裏切ろうとしてる。
大切な親友の大切な人を奪おうとしてる。
こんなの絶対に優しさなんていえないでしょ?
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作者名:本条優柚 | 作成日時:2017年3月18日 4時