【好きな人がいること】海に揺られる恋心 part１

頰 ページ17

『あれ？風花ちゃんは？』


夏向の手伝いが終わり皆と合流した頃。


冬真の彼女の風花ちゃんがいない事に気付いた。


『ねぇ冬真』


冬真「んー？」


『風花ちゃんは？帰った？』


冬真「うん、用事ができちゃったらしくてさー」


…嘘。


ケータイ、持ってるじゃん。


『…ケータイ見せて』


冬真「はぁ…。Aにはかなわねぇなぁ(笑)フられたんだよ、ほら」


冬真はそう言ってケータイの画面を見せてきた。


“さよなら”


冬真が見せてきたケータイの画面には風花ちゃんから送られてきた


メッセージだけがうつっていた。


『冬真、追いかけなくていいの？』


冬真「いーのいーの！好きじゃなかったし！」


…は？


好きじゃなかった？


『最低…』


冬真「え？」


パチンッ！！


その瞬間私は冬真の頰を叩いていた。


ジンジンと痛む右手。


皆からの視線。


そして左の頰を信じられないというように


触っている冬真。


全部が私の心に突き刺さったように思えた。


千秋「どうした？」


私達の会話が聞こえていなかったからか


千秋が聞いてきた。


でも私は…


『ごめん…っ…！』


走って走って…池の近くのベンチに来た。




でも私は知らなかったんだ。


この後私の感情が狂い始めることに____。

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