Episode 1 − 硝子夜空 ページ1
ジャズの音色と、香り豊かな珈琲の苦味。そして、タマゴとレタスのサンドウィッチに、デザートは絶対カラメルソース添えパンナコッタ。
「んん、美味しい……」
このお昼休憩は、忙しい私にとって正に至福の時間だった。
私が社長を務める会社から徒歩何分もない場所にあるカフェ『鈴助』。会社でも人気の鈴助は、パスタやグラタンは勿論、なんといってもサンドウィッチが美味しいお店である。
暫くその味を堪能していると、仕事専用のスマートフォンがピリリ、と機械的な音を出した。この音は電話の音だ。スマートフォンを取りだし、ロックを解除して耳に当てる。
「あ、もしもし、
電話相手は社員の一人の
「ええ、城月よ。業務時間外に何か用事?」
そんな彼女が電話をしてくるなんて何事だろう、と頭に此れからのスケジュールを浮かべる。特に問題のある予定は無いように感じて、仕方なく相手の言葉を待った。
「あっ、えっと! すみません、まだお昼休憩中だったんですね。沙藤様とのお食事会が十五時からの予定だったんですけど、十四時からの予定に変更されたので御連絡します」
謝る彼女に気にしないで、と言いながら、彼女の告げた沙藤様とのお食事会の予定変更に合わせて頭の中でスケジュール調整をする。
「うん、大丈夫ね。小春ちゃん、連絡ありがとう。それじゃあ、また後で。」
「はい、お願いします!」
たたっ、と素早い動作で電話をきる。小春ちゃんには大丈夫だと言ってしまったが案外時間がない。今すぐ会社に帰らなければ、と珈琲を飲み干した。
「お会計、お願い」
片手をあげると何処からともなくウェイターがやって来て、私をレジへと案内する。ジャズの音楽が段々と遠ざかって、木製の床にヒール鳴らす音だけになっていく。
珈琲の苦味と風味が微かに残る鈴助のレジ辺り。名残惜しい心も何処かにあったが、沙藤様とのお食事会の為には致し方無い。会社に戻ってブラックを淹れ直そう。
「ありがとうございましたー!」
からんころん、ドアベルが鳴る。
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梅藍(プロフ) - ユユリンさん» ?(°д°;)ノノ (2017年8月16日 20時) (レス) id: 21e7bc37aa (このIDを非表示/違反報告)
ユユリン(プロフ) - 梅藍さん» フフふー(*´∀`) (2017年8月16日 19時) (レス) id: 09ad9bf273 (このIDを非表示/違反報告)
梅藍(プロフ) - ユユリンさん» 私のグラスが一番人数少ないんですけどねw17人です。多かったときは23人居たんですけど……!話がずれてる (2017年8月16日 16時) (レス) id: 21e7bc37aa (このIDを非表示/違反報告)
ユユリン(プロフ) - ほうほう…(^ー^) (2017年8月16日 16時) (レス) id: 09ad9bf273 (このIDを非表示/違反報告)
梅藍(プロフ) - ユユリンさん» うちの学校人数少ないので、小中一貫なんです。超田舎w (2017年8月16日 12時) (レス) id: 21e7bc37aa (このIDを非表示/違反報告)
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