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87話 ページ8




「へぇ…いいじゃん」


第一試合が始まり、今回も谷地らと少し離れた席から観戦していた成宮が思わずそう溢す。

条善寺高校。

"アソビ"をモットーにするだけあり、平然と足でボールを拾ったり、通常ならアンダーで返すような球を強打してきたりと、何をしでかすか分からぬ状況に彼女の表情はキラキラと輝く。


そんな彼女の姿を後ろの方から見て、目を丸くする人物が一人。

"やっと見つけた"
小さく呟かれたその言葉を聞いた者は恐らくいない。

思わず立ち止まった彼は、隣の男に尋ねる。


「わり、青根。観るのここでもいいか?」


真剣な表情でそんな問いかけをした伊達工業高校バレー部主将、二口堅治に対して青根はコクリと頷く。

二口の視線の先にいる少女に対して疑問を抱きつつも、青根は自分の信頼する彼がこんなに真剣な瞳で言ってくることを無下にできるような人間ではない。

彼は黙って二口について行き、そっとその様子を見守った。


「ふふっ条善寺の主将さん、私気が合いそうだなぁ〜」


周りに誰もいないと思っているのだろう。

テンションが上がり、先ほどから思わず出ている彼女の独り言に二口も目を細める。

くくっと漏れた彼の薄い笑い声によりやっとその存在に気が付いた成宮は、
ほんの少しだけ首を回転させ、目線で彼らの姿を捉えた。


「おやぁ?知り合いに"でっかい独り言女"だ〜って馬鹿にされると思ったら、全く他人だったというこの現象を何て名付けたらいいです?」

「いや俺に聞くの!?」


なんてツッコミつつ、二口は初めて会話する成宮の印象があまりに自分の想像とかけ離れていたことに驚きを隠しきれずにいた。

え、これ本当に去年麻雀の大会で優勝していたあの子?


だが、驚きで目を丸くすると同時に、それと同じくらい…いや、それ以上に。

二口は彼女への興味を膨れ上がらせていた。


「イケメンさんなら分かるかなぁと。で、すみませんどちら様で?」

「あぁ悪ぃ。俺、伊達工業高校主将の二口堅治。んでこっちが同じバレー部の青根」

「あれまぁそれはどうもです〜烏野バレー部マネージャーの成宮Aです」


大事な試合中、急に自分に近寄って来た男達を少なからず警戒していた成宮は、その正体が分かってぺこりと会釈をした。

青根もそれに従い、言葉は発せずともぺこりと返し、和やかな雰囲気になった時。

お構いなしに二口は爆弾を投下する。


「隣で観てもいいか?"クイーン"」


その瞬間、彼女の眉がピクリと動いた。

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おもち。(プロフ) - ルイさん» 本当ですか!嬉しいです(^^♪最終章まで楽しませていただきます(*´`) (2020年4月17日 1時) (レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - おもち。さん» わぁぁ!おもち。さん、とても嬉しいお言葉ありがとうございます!!最終章まで近いですが頑張ります♪(おもち。さんの素敵な小説も拝見させて頂いております(*´ω`*)) (2020年4月16日 21時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
おもち。(プロフ) - 今まで読んできた小説の中で内容や設定1番好きかもしれません……!展開の魅せかたがめっちゃ好きです!!更新頑張ってください! (2020年4月16日 16時) (レス) id: 753b9a62df (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 佑奈さん» 佑奈さんありがとうございます!赤葦くんかっこいいですよね…!次の章からはまた登場予定なので楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです! (2020年4月15日 1時) (レス) id: 94aec662ed (このIDを非表示/違反報告)
佑奈(プロフ) - このお話の赤葦くん好き… (2020年4月14日 15時) (レス) id: 174bbcca55 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルイ | 作成日時:2016年7月4日 15時

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