L.O.V.E

23 -side Ki ページ25

Ki side





「・・・・・・」



俺から藤ヶ谷を誘おうと思ってたのに
藤ヶ谷に声を掛けられて個室の高級焼肉店にやってきた


どうしよう
何を話したらいいのか分かんない

お互いにメニューを広げ無言が続く
ちらちらと藤ヶ谷を盗み見るけど視線はメニューな向けたまま
藤ヶ谷は…何考えてる……？



「……っ！」



藤ヶ谷が急にメニューから視線をあげるからバッチリと合ってしまった視線

ま、本気でどうしたらいいのか全く分かんない



「飲み物、先に頼もっか…北山はビールでいい？」

「お、おう…」



ビールと烏龍茶、店員さんオススメのお肉を何種類かとサラダを頼んでくれた

店員さんとのやり取りもスマートでさすがKINGって感じ
オーダーを取りに来た女性の店員さんも頬を赤く染めて″藤ヶ谷さん、この前のドラマとってもカッコ良かったです。応援してます″と嬉しそうに個室を出て行った



「お前、ほんとすげぇな！今の店員さん、絶対藤ヶ谷に惚れてるな！」

「…いや……」

「店員さんといいあの女優さんといいモテる男は辛いねー。さっきも告白されたんじゃねーの？」



と、とにかく話題を！
なんでもいいから話を広げなきゃと思って揶揄うように女優さんの名前を出すと藤ヶ谷の眉間にシワが寄った
明らかに不機嫌な顔をした藤ヶ谷


ま、まずい…
藤ヶ谷の事怒らせたかも……



「されたよ…好きだって、告白……」

「へ、へぇー…良かったじゃん。あの人すごく感じいい人だし、美人だし…お似合いだよ、ははっ……」



やっぱり告白されたんだ
自分から振った話になんだか心をえぐられた


カッコ良くてスタイルも抜群で女心が分かってて誰にでも気遣いが出来るパーフェクトな藤ヶ谷には俺みたいな男じゃなくて
可愛くて綺麗で優しくて、自分の気持ちを真っ直ぐに伝えられる素直な女性の方がいいに決まってる


自分で言っておきながらお似合いな二人が想像出来てしまってなんだか悔しくて虚しくてどうしようもない



「お待たせ致しました」



タイミングよく？店員さんが飲み物を持ってきてくれたからとりあえず乾杯しようとビールジョッキを藤ヶ谷の顔の前に向けた



「さ…さぁ、飲もうぜ！お疲れぇ！」



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