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結局ろくに眠れないまま朝を迎えてしまった
朝一で初主演映画の雑誌取材を終えたから
みんなでの撮影まであと1時間以上ある
早めに楽屋に行けばもちろん誰もいない訳で
「少し寝るかな…」
誰もいない楽屋に俺の独り言が響く
二人がけのソファに横になった
なんだか身体が重たくて
寝不足だったからかな
すぐに夢の中へと入っていった
きたやま…
遠くで俺を呼ぶ声がする
この呼び方をするヤツは一人しかいない
俺より年下で、でもこの業界では先輩で
顔が小さくてシュッとしたフェイスライン
切れ長の目は女性ももちろんだけど、ちっちゃなこどもや男性までを虜にする
カッコよくて、セクシーで、かわいくて、
俺の大切な人
ー愛してる…
ーちゅっ…
俺の大好きな甘い香り
優しい温もりを唇に感じた
これは…ゆめ…？
もっともっと近くでこの香りを感じたい
この香りと温もりで心をいっぱいにしたい
柔らかな感触はとても心地よくて胸のあたりがポカポカする
甘い香りはふわぁっと強くなって、少しの余韻を残して消えて逝った
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作者名：ゆうにゃん
| 作成日時：2019年10月1日 23時
