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藤ヶ谷が楽屋から出て行って
どれくらいだろう

きっと1分とか
いや30秒とか短い時間だったと思う



Y「…みっちゃん……」



沈黙を破ったのは横尾さんだった



Y「太輔、きっとドラマの撮影とか番宣とかで忙しくて…少し疲れてただけだと思う…」

「俺っ…」



横尾さんの言葉に被せ気味に答えた



「俺はっ…大丈夫だから…」



大丈夫…
大丈夫……


自分に何度も言い聞かせる


今までだって、こうして自分の気持ちをコントロールしてきたんだ



「ごめんな…なんか…こんな空気にしちゃって……ほ、ほら、もうリハ始まるから……俺、ちょっとディレクターさんに伝えたいことあったから先に行くわ!」



一人になりたくて、先にスタジオに向かった


頭に浮かぶのはさっきの藤ヶ谷の冷たい声と暗い瞳で


藤ヶ谷がもっと遠くへ行ってしまった様なそんな気持ちがしたんだ


その後の収録をどんな顔してどんな風にしたかなんて分からないくらい


藤ヶ谷の事で頭がいっぱいだった



今もどうして 君を好きになる
今も なぜ 忘れさせて


君の抜け殻だけ 探してしまう


愛してると…




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作者名:ゆうにゃん | 作成日時:2019年10月1日 23時

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