りあらぶ × BE LOVE 〜なるべくゆっくり歩いていこう

宏光くんの宏光くん ページ7

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はぁ‥‥
気が重い

いつものバラエティ番組の収録スタジオ
この収録が終わったあと、シャッフル企画の打ち合わせをすることになっている

藤ヶ谷と一緒に食事に行ってから3日
特に何があったわけでもなく藤ヶ谷はいつも通り

それぞれ衣装に着替えてメイクをしてスタジオに入った

マイクをセットしながら収録の準備が進んでいく
番組の流れの最終確認中なのに俺の頭の中はこの後のシャッフル企画の事でいっぱいだ


予習として宮玉のパフォーマンスをDVDでみたけど‥

なんだあの宮田のセリフ
あんな小っ恥ずかしい言葉
あの藤ヶ谷が俺の為に
俺だけの為に言うのか？

プロポーズの甘い言葉と誓いのキス

近距離で藤ヶ谷のあの瞳で見つめられて

き、き、キスだなんて‥‥

実際にはキスするふりなんだけど
平常心でいられる気がしない
絶対に顔が赤くなってドキドキして
俺には絶対あんなの出来ない



「はぁ、困ったな‥」

「なぁにが困ったの？」



隣に座る玉森に言われて気持ちがつい口に出ていた事に気付く



「いんや、なんでもねぇよ」

「ふふっ、何でもないって顔じゃないよね」



玉森越しメイクさんに髪を手直ししてもらいながら笑う藤ヶ谷が目に入った

藤ヶ谷はどう思ってるんだろう

少なくとも藤ヶ谷の恋愛対象は女の子だろうし
俺とあんな事になって平常心でいられるのが俺には理解出来なくて
少しは気まづいなとか思ったりしてんのかな



「ミツもガヤの事気になるの？」

「‥へっ？」



玉森に耳打ちされてビクッと身体が反応した



「なんか、ちょっと前からガヤがミツの事よく見てるなぁって思って、そしたらミツもガヤの事よく見てるからさ〜ガヤとなんかあったのかなって思って」



やっばり玉森は鋭い
玉森が俺の顔を覗き込みながら意味深に微笑んだ



「べ、別にっ‥な、なんも‥ねぇしっ‥！！」

「ははっ、めっちゃ焦るじゃん」



″ミツって分かりやすーい″
と揶揄う玉森にうるせぇと二の腕の辺りを一突きすると態とらしく身体を藤ヶ谷の方へ傾けた



「ガヤぁ〜ミツがいじめる〜」

「あっ、た、たまっ‥！」



余計なことすんなよー！！！

玉森が助けを求めるから
藤ヶ谷がこちらを向いて視線がぶつかる



「きたやま？」

「‥っ‥‥」



俺はこの目が苦手なんだよ
全てを見透かされる様にまっすぐで優しい目が
しかもあれ以来、俺を呼ぶ藤ヶ谷の声が甘い

甘すぎるっ！！！

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