REAL ME

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ライブを１ヶ月後に控え最終確認の会議兼、リハーサルの為、レッスンスタジオへメンバー全員で集合した

各々ジャージやスウェットに着替えたり準備中
横尾さんと談笑しながらストレッチをしてる藤ヶ谷を横目に俺もストレッチを始めた

床に座って脚を広げ前屈をする
身体が伸びて気持ちがいい



「いでででー」
「ふはは！わた、身体硬すぎなんだけど！」



楽しそうな藤ヶ谷の笑い声
俺に向けられる事がなくなった藤ヶ谷の笑顔

もっと近くで聞いていたいけれど藤ヶ谷とはユニットの演出内容を決めたあの日からなるべく距離を取って関わらない様にしていた

少しでも自分の気持ちが溢れない様に
藤ヶ谷に自分の気持ちを悟られない様に

それでもどうしても見てしまう自分がいて
横尾さんと楽しそうに話す藤ヶ谷を見て胸の奥がギューっと締め付けられる

苦しい
締め付けられる様に胸が痛い



「みーつ！おっはよん」

「たま、はよ…」

「なぁに？元気ないじゃ〜ん」

「朝早かったからまだ眠いんだよ」



みつは寝坊助さんだもんねなんてよしよしと頭を撫でる玉森



「っやめろ、子供扱いすんな」

「ンフフ〜だってかわいいんだも〜ん」



わざと屈んで目線を合わせる様にして話すのが憎たらしいけどやっぱり玉森は優しいな
ふわふわと微笑む玉森は俺の前で両手を広げてる
そして腕の中にギュッと抱き締められた



「みつはやっぱりかわいい♡」

「誰がチビじゃ！」

「チビなんて言ってないじゃ〜ん」



こうして俺のモヤモヤした気持ち全部吹っ飛ばしてくれる
玉森は優しくて気遣いが出来るかわいい弟だ



「たまー！キタミツ！いつまでやってんの？」

「もうみんな準備出来てるんだけどー！」

「時間ないんだから早くろよーたまもりー！」



気付くと俺と玉森以外は席に付いて
最終打ち合わせの準備が出来ていた



「えぇ〜もぉちょっとミツと話したかったのに〜」

「ほら、たま行くぞ、仕事だ」

「は〜い」



気の抜けた玉森の返事に自然と頬が緩む
また玉森に助けられちゃったな

そんな事を思いながら席に着いた


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