僕はただ、浦飯幽助を監視しろと言われただけなのに… (ページ17)

今日:14 hit、昨日:16 hit、合計:6,132 hit

16話ページ17

水希side

僕は早速修行を始めた。

残り3ヶ月。

できるだけのことはやらないと…

まず手を付けたのは、妖気を高める修行。

僕の中に眠っている、本来の一族の血を呼び覚ますことができれば、僕にだって勝機はある。

ゆーすけくんが幻海のばぁちゃんの所でやっていた、指先に霊気を集める修行。

あれをやってみた。

集中力を高めることが、妖気を高める近道。

そう、うちのじぃちゃんが言っていた、気がした。

725年も生きてる妖怪だ。

片手の逆立ちくらいは余裕だが、そこから指を一本にし、妖気だけで自分の身体を支える。

これがまぁ難しい。

なんせ、僕の体の中にはまだ、自分の身体を支えれるだけの妖気は無かった。

一瞬で崩れてしまう。

身体能力を高めるために、次は森の中へ。

木々の上のみを渡って、反対側の街へ出て、また戻ってきたらクリア。

毎日チャレンジして、タイムアタック制にしよう。

たまに落ちることはあったが、日に日にタイムは縮んでいった。

それ以外の修行もやっていると、あっという間に1週間が経った。

ーーー

蔵馬「1人でのトレーニングには限界があるでしょう？」

『来客は初めてですね。』

蔵馬くん、飛影くん、桑原くんが来てくれた。

蔵馬「水希も、実戦型のトレーニングを積んでいきましょう。」

『ちょっと怖いですが…ありがたいです。』

桑原「水希、俺の成長ぶりに腰抜かすなよ！」

『頑張ります。』

飛影「水希…」

『はい？』

飛影「いや、前より妖気が強くなったような気がしてな…」

蔵馬「水希はやればやっただけ伸びるタイプです。修行を積んだのでしょう。」

『自己流で、ですが、やれることはやってきました。』

蔵馬(心なしか顔つきも変わったな。悪魔族の血は侮れないな…)

この時は、誰も知らなかった。

水希がなぜ強くならなかったかを。

水希がなぜ臆病な性格なのかを。

水希自身も、知らなかった。