41 玉森side ページ41
わったーと別れた後
あゆの家に向かった。約束してたし…
、
もう寝ているみたいで、玄関からは
真っ暗で何も見えなかった。
オレンジの明かりが漏れる
寝室に入った。
眠るあゆの隣に横になり
そっと頬を撫でる。
約束してたのに
来れなくてごめんね…
橋『ユウ……来てくれたの？』
玉「遅くなってごめん…。起こしちゃったね。」
橋『……会いたかった。』
あゆの腕が首に周り
俺を引き寄せて
キスをした。
橋『……好きだよ…ユウ…』
おぼろげに揺れる瞳が
悲しそうで、俺がこんなにも
不安にさせているんだと
苦しくなる……
何度も好きだと伝えてくれるのに
俺は一度もあゆに好きなんて言葉
言ったことなかった……
橋『……好きだよ、、』
玉「うん、、俺も………好きだよ、あゆみ。」
唇をもう一度重ね
何度も深くキスを交した。
何度も重なるキスに
火照っていくあゆの身体の熱が
俺に伝わってくる…
付き合いだして
何度もあゆを抱いてきたけど
目の前にいるあゆだけを見て
ただひたすら抱いたのは初めてだったかもしれない…
いつもは淡々としていたこの行為。
でも今日の俺は、繰り返すうちにあゆに見せたことない男の顔になっていたと思う。
女を欲しがるただの男…。
本当の俺はこんなだったのかな、、
だからなのか……あゆもこんなに淫らな女になっている。
俺たちは本当の意味で男と女になったんだな…
燃えるような恋をしてるわけじゃない。
ただ熱くなった身体をぶつかり合わせ、本能のまま抱き合ったんだ…
いつも他の誰かを考えていたから。
愛したい…
愛してあげたい…
激しく抱くことで
愛してあげられてると思っていた。
そして、愛してると思えてたんだ…この時は…。
健気なあゆみは
俺に多くを望まない…
傍にいてほしい。
それだけだった。
傍にいるって思ってたのに
傍にいるのに…
俺の心はあゆに寄り添ってなかったんだ。
それをあゆは
ずっとわかっていた。
もしかしたら
最初からわかっていたのかもしれない…
、
あんな嘘をつかせてしまったのは
俺のせいだ。
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作者名：yuna
| 作成日時：2019年3月5日 20時
