小さな恋のものがたり5 (ページ36)

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167 好きで溢れちゃうページ36

たった2日間なのに、すごく長かった……

裕太は帰ってきてから上機嫌で、社長さんに気に入られた話とか綺麗な月を見たって楽しそうに私に話してくれている。

『充実できた出張だったんだね。』

菜々さんとはどうだったのかな？
聞きたいけど聞けない…

綺麗な月は誰と見たの……？

「…うん。行ってよかったよ。北山さんに感謝しなくちゃ。」

『どうして北山さんに感謝なの？今回出張行ってないんでしょ？』

「それがさ、今回のプロジェクトに参加できたのは北山さんが俺を強く推してくれたらしいんだ。
藤ヶ谷さんから聞いたんだけど、そこまで俺のことかってくれてたなんて知らなかったからさ嬉しかった…

いつも口悪くて煩いけど、俺のためだと思ったら可愛く見えてくる。」

裕太がみっくんの事を嬉しそうに言ってるのを聞いて胸が痛んだ…

そんなみっくんが裕太の浮気を疑って、私に話してくれているなんて裕太が知ったらどう思うのかな？

『…いい上司に出会えたね。』

「少しだけそう思うかな。Aは北山さんの事、どう思う？その、、男として…」

男として…？どういう意味なのかな、、、

『……素敵な人だと思うけど、、』

「そっか、Aから見ても素敵なんだね？」

裕太がどんな答えを求めているか全然わからなかった。

『でも裕太が1番素敵だよ。』

「……／／／何？いきなりどうした？
恥ずかしいんだけど…………／／／／」

裕太にグッと引き寄せられて、すっぽり胸の中に入った。

暖かくて私の居場所はここなんだと安心できた。

「……あんまり可愛いことしないで。
俺の好きが溢れちゃうから／／／」

『溢れちゃっていいよ。裕太の愛に溺れたいから…』

「…………もう／／／」

裕太がこんなにも照れるなんて思わなかったよ。

耳まで赤くして、そんな裕太が私はとても愛おしかった。

私も裕太の事が好きで溢れちゃうよ…

『私…今すごく幸せだな…』

ポツリと呟くと″俺も″って囁いてくれた。

.

もうこれ以上の幸せなんていらないから…

ずっと裕太の傍にいたい。

そう願っていた…