story1:皇 ページ1
「ねえ、仁さん。」
今は早朝4時。
俺、皇Aは自分の所属している香椎(かしい)支部にいる。
仁「ん？A君どうしたの？」
この人は香椎支部の支部長、光城 仁さん。
いつも読めない人だと思う。フラフラしてるし。
「俺のトリガー知らない？
昨日の防衛任務以降見つからなくて...」
そう、朝が弱い俺がこんな時間に起きてるのは俺のトリガーが見つからないからだ。
仁「え、ヤバイじゃん。参ったな、今予備のトリガーが孤月しかなくてね。黒トリガーは？」
「あるけど、極力使いたくない。S級だとコキ使われるし」
仁「うーん...まあ、大方ユーリ...君のお父さんが持っていったんだとは思うけど、一応孤月渡しとくからこれで凌いでもらえない？俺からキツーく言っとくから」
「了解」
やっぱり父さんか。
実験するなら自分のでやれよ。
俺の父、ユーリ･クラウンは本部と香椎支部のエンジニアだ。
元々は戦闘員だった。
今でも一応有事の際は戦闘員として使われると思うけど、大体研究室にこもっている。
真「あれ、Aじゃん。早いな、珍しい。今日は近界民でも降ってくるのか？」
「は、ウザ。」
こいつは光城真。
仁さんの息子で、俺のパートナーだ。
大体の任務は部隊ごとでやっちゃうけど、こいつと基本的にワンセットって言うのもよくある。
真「酷ぇ。近界民降ってくるのはまあ、殺り放題だから楽しそうだけど。」
「それな」
俺と真は割と戦闘狂だと思う。
戦闘になると冷静な判断ができなくなるタイプではないが、あの爽快感はかなり好きだ。
仁「縁起でもないこと言うのやめて」
「仁さんだってそうじゃん」
あは、と言って笑って誤魔化しているが、正直な所1番容赦ないしエグい戦い方する。
真「で、なんでこんな朝早いんだ？」
「トリガーが消えた」
真「は、失くしたのかよ」
「絶対俺のせいじゃない、父さんだよ殺す」
真「返り討ちにあって終わりだろ」
「うるせー(白目)」
こいつは俺が体力と筋力がないことに関して凄く馬鹿にしてくる殴りたい。
「そう言えばお前今日防衛任務は？」
真「真先輩って言えよあと敬語。今日は非番」
「俺は先輩呼び卒業しましたー。」
真「あっそ、まあいいけど。お前こそ任務は？」
あった気がしなくもない。
よしサボ...
仁「あ、優くん今日隊長で防衛任務宜しく」
「俺が隊長とか聞いてない」
でも上からの命令だもん、と困った顔をする仁さん。
仕方ないので命令に従う他ない。
渋々向かう事にした。
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作者名：＊夕闇＊ | 作成日時：2017年7月23日 9時
