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始まりの地 ページ1

『…』




なんだここ

山か?




俺は、なにを?




自分は、この場で倒れているようだ。
視界が低く、両手は地面に垂れたままで、

一応動くかどうかを確かめるために手に神経を集中させるが
指が数本ピクリと動くだけで、腕を上下に動かすことすらできない。

ずっとその状態は続けられるわけもないから
ぴちゃりと動いていた指が血溜まりの上にまた落ちたらしい。

重いまぶたゆっくりとを開ける。

とりあえず自分のやれることをすべてやろうと、目と鼻を最大限に活かそうとする。

すん、と鼻から空気を肺に取り込むと


独特な匂いが俺の脳を少し覚醒させたようだった。
原因を探ると、信じられないことにそれは“花”らしい。

発生源の手のひらには
赤と黄色のふしぎな花を乗せている

普通の花してはツンとするような異様な光景にまた違和感を持つ。


初めて見る形だな



救急隊に連絡
個人医に連絡




2つのうち、片方を選択した。





助けが来るまで情報整理をしようと思う。






なんで、ここで倒れてるんだろう。



なんで

こんなにも後頭部が痛いんだろうか



ここで事故が起きたのか?
それとも喧嘩?


昔からここらへん住んでいたような感覚はするけど
どこに家があるとか、家族は何人とか
全く覚えていなかった。

記憶も意識もぽやぁ〜としてきて
なんだかこれ以上難しいことは考えられねぇよと脳が直接訴えかけてきているようにも感じる。



「すみませーん?」


『ぁ…はい』


「あなたで間違いなさそうです、が…
なぜこんなところで?」



“なぜ”とは、?



まぁ、いいか。

真っ白な頭の中から必死にそれらしき(記憶)を探すも、そんなものは見当たらないのだ。



『え?
…さぁ』


「ん?」


『なんか、記憶がかすれてて…
俺なんの怪我してます?』


「あー、打傷ですね
後頭部に大きな一撃が入ったみたいです」


『どっかに頭ぶつけちゃったのかな』



金髪のもじゃもじゃさんが俺を持ってヘリに乗る。



『お名前は?』


「あ、鳥野ぎんです。」


『鳥野さんですか。』


変わった名前ですね、と言いかけた口をむすぶ。
失礼すぎる言葉が今口から漏れそうだったことが恥ずかしかった。


「あなたは?」


『えっと…』



人間必ずしも名前を持っていれば即答できるはずなのに
それらしきものは俺の脳にはなかった。



『ごめんなさい、覚えてなくて』

おはなつみ→



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作者名:ぽこぺん | 作者ホームページ:まだないですよ  
作成日時:2024年2月13日 7時

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