止まってくれません？【2j3j】 (ページ7)

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55話ページ7

音楽が始まり、なんとかぎこちなく踊っていると

表情を変えずにポツポツと話し始めた

「ふふっ、合わせて踊るのがお上手ですね、さて時間がないので本題に入りますが」

くるくると天井が回って見える、キラキラとしたシャンデリアが彼を照らす

「私のところに来たということは

ヘルプが欲しくて来たことは承知しております、ですが彼のことに直接的にヘルプは出せませんので

『貴族の花園』の件に関してバックアップはお任せください」

とスルスルと話を進めていくが、直接的にヘルプは出せないと言われた時に表情が曇ったのを

見抜かれたのか

「大丈夫ですよ、あなたのことを生徒会の人がとても信頼しているのを聞いています

私や周りのこと、後のことは大丈夫です。思い切りやっちゃってください」

音楽が鳴り止むと同時に二人でお辞儀をし

そしてまっすぐに瞳を向けられ、そっと背中を押された

とりあえずイブラヒムさんの背中が見えた上の階へとそっと登ると

イブラヒムさんが誰かと話しているのが見えた

壁に隠れて、息を殺して二人の会話に耳を澄ました

「イブラヒム様、家柄を継承した後は約束通り私たちが全財産をもらいます」

は？

「・・・・・・・わざわざ『貴族の花園』まで出て、最後の報告をしたんだ

約束を破る理由が俺にあると思う？」

貴族は、財産が地位となっているんだ、それを全部放棄するということは

貴族をやめる気？というか家をすべて投げ出すということか？

するとイブラヒムさんがこちらに目線を向けてきた

まずい、バレた

「・・・・・・・そろそろ出て行かないと『貴族の花園』が気づいて動き出しますよ

さっさとここから離れてください」

すると男は「約束だけはちゃんと守ってくださいよ？」と念を押してその場を去っていくのを見ていると

青い目が至近距離でとらえられた

「お前、ほんっとうに何がしたいの？」