73話 ページ23
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西畑「けど意外っすわ。誠也くんってベタベタすんの嫌いそうやのに」
藤原「大吾、そんなわけないやん。コイツ付き合う前から余裕でAのこと触ってたで」
「おい！ 誤解される言い方やめろや！」
小「末澤はさぁ、Aのどこが好きなん？」
突然の問いかけに俺の腕の中で暴れ出す彼女を、耳元で名前を呼ぶことで大人しくさせる。
耳弱いんやって。めっちゃ可愛い。
「急になんなん？」
小「や、末澤にも一応聞いとこかなって」
「“も”ってことはAも聞かれたんや？」
『……ないしょ』
絶対言わんとばかりに両方の手のひらで口を隠し、目線を明後日の方向へやる彼女。
まぁそれは2人になったときに追々聞くとして。
好きなとこ、なぁ。
じーっと見つめていると、視線に気付いて、ばちっとぶつかる。
慌てて逸らされて、でもまたすぐ恐る恐る見てくるとこが小動物みたいで、思わず笑ってしまった。
いっつも
眠くなったら甘えんぼになるとこ。
せやけど普段は我儘言うの苦手やし、おねだりがヘタなとこ。
あんだけ俺に好き好き言うてたのに、付き合った途端恥ずかしがり屋になったとこ。
笑った顔も、拗ねてる顔も、照れてんのも。
「全部好きやから、どこって聞かれてもわからへんわ」
ちゃんと答えたったのに、小瀧たちはくっそデカい溜息をついて呆れ顔。
聞いてきたんそっちやんか。
納得いかないまま彼女の首筋にすり寄ると、びくん、と跳ねる。
そろそろ恥ずかしさが限界に達そうやなって思いつつも、そんな初心な反応も可愛いかったからやめずにそのまま堪能した。
藤原「そんだけ溺愛してんのやったらさっさと付き合えっちゅーの」
「付き合ったやん、こないだ」
藤原「過程が長すぎんねん！」
草「ほんまに長かったよな。よおAも心変わりせんかったわ」
『……や、だって誠也くんにしかドキドキしない、し』
かあーっ、と赤くなりながらしどろもどろに伝えてくれた言葉もやっぱり可愛くて。
ニヤついてまうのはしゃーないねんから許してほしい。
「聞いた？ 俺の彼女可愛すぎひん？」
西畑「ほんま爆発してほしい」
小「絶対他にええやつおったのに」
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作者名：ゆの | 作成日時：2023年1月28日 4時
