48話 ページ48
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末「ん、着いたで」
『水族館だ！』
末「俺来るん久々やわ」
またしても先に降りてドアを開けてくれる彼にお礼を言うと、当たり前みたいな反応をされた。
……きっと、彼女以外の女の子にも優しいタイプなんだろうなぁ。
歳の差を埋めたいって思うけど、同級生じゃなくてよかったとも思う。
だって絶対、嫉妬で狂っちゃう。
末「A？」
『……いこ！』
今日は、私だけの誠也くんだもん。
ほんの少し勇気を出して彼の手を引っ張りながら進んでいく。
嫌がられないのをいいことに、ずるくてごめんなさい。
＊＊＊
『ね、ペンギン』
『可愛いね』と呟く彼女は水槽の中で泳いだり仲間と戯れ合う動物に夢中で、うっすらと青い光に照らされた横顔はいつもより大人っぽく見えた。
Aの方が可愛い、なんてキザな台詞言うたら俺のこと見てくれるんかな。
「A」
『ん？』
振り向いた彼女にスマホを向けてすかさず写真を撮る。
カメラ用の作った顔やなくて、普段の素の表情がええ。
……別に、こっち向かせたくて呼んだわけちゃうし。
『わ、盗撮だ』
「あとでAぇのグループに送ったろ」
『なんで？』
「自慢しとこかなって」
最近アイツらほんっまにうるさいねんもん。
口開けばすぐこの子の話題やし。
あー、けど可愛いA見せんの嫌やなぁ。
ツーショにしよ。うん、それがええな。
“自慢”の意味がわからんかったんか、彼女は今だに不思議そうな顔をしとった。
「佐野とか大晴とか、みんなAのこと好きやんか」
『慕ってくれてるから……』
「あのリチャでさえ甘いんやで？」
『うーん……』
どれだけ言葉を重ねても納得しない彼女。
ええ加減自分の魅力に気付けや、と思わず唇を尖らせてしまう。
せやけどこの子は俺の想像をはるかに上回る。
『……私がすきなのは、ずっと、誠也くんだけ』
少し震えた弱々しい声。
俺まで届いたそれは真っ直ぐ胸へと突き刺さった。
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ゆの(プロフ) - oshige127さん» 何回も読んでもらえるの嬉しいです😊 デレ期到来…ですかね♡ 甘々な2人の関係を乞うご期待です！ (2022年11月24日 21時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
oshige127(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませていただいてます！なんなら何回も読み返してます！最近の末くんのデレデレ具合はなんなんですか〜（笑）一生のお願い真剣に考えます！笑 (2022年11月24日 10時) (レス) id: c6522ef373 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» ぜひ何回でも！毎回とっても嬉しいです♡ (2022年10月14日 2時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - 何回もコメントすみません！めっちゃわかります焦ったい感じがたまらないんですよね楽しみにしてます！！ (2022年10月13日 13時) (レス) id: 050b62ae5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(プロフ) - 3さん» 第三者目線だと「はよくっつけや！！」ですが当人たちには全く伝わっていない感じが好きでして。笑 もうしばらく皆さまにはもだもだしてもらいます。笑 コメントありがとうございました！ (2022年10月13日 3時) (レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年7月17日 2時
