８６ 懇願 ページ36
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チャンミンの家の前で
肩を貸しながら、
タクシーを降りた。
チャンミン、
まだ気分良くはなさそう。
「チャンミン。鍵は？」
「・・・左のポケットに。」
ゴソゴソ。
チャンミンのコートのポケットの中に
手を入れる。
そして鍵を探し出すと、
ガチャ。
チャンミンの家のドアを開け、
一緒に中に入った。
・・・とりあえず
ソファに腰掛けさせなきゃ。
チャンミンを支えて部屋の中を歩き、
ソファに腰を下ろさせた。
その途端にチャンミンが、
はぁーっと溜息を吐いた。
「・・・大丈夫？」
心配してそう声を掛けると、
チャンミンは無言のまま
私をちらりと見上げている。
何だろう。
・・・彩乃が私に話しかけるまで
こんな感じじゃなかったのに。
なんか・・・良くないのかな。
なんか私に、隠してる？？
「ベッドに行く？」
尋ねた私に向かって
首を左右に振るチャンミン。
家に着いたら、
理由を話してくれるのかと。
でもチャンミンは、黙ったままだし。
私から聞きたい様な、
聞いたらいけない様な。
・・・なんだか重苦しい空気に
耐え切れなくなって、
つい、作り笑いをしてしまう。
「なんか、あの、・・・私、
帰った方がいいかな。
今日は帰るね？
寝たら良くなるよ、きっと。
じゃ、・・・。」
そう言いながら入って来たドアの方へと
歩いて出て行こうとすると、
急に私の手首をチャンミンが掴んだ。
どき。
「帰らないで下さい。」
「え、でも・・・。」
動揺して振り返ると、
私を見上げる真剣な顔のチャンミンと目が合う。
「帰らないで。お願いだから。」
「・・・・・。」
どうしたんだろう。
けど、
チャンミン・・・弱ってる？
心細いの？？
このまま1人にしたらいけない様な
気持ちがして。
そんな事を考えながら
見つめ返していたら
急に手首を引っ張られ、
「わっ。」
体勢を崩した私は、
そのままチャンミンの腕の中に
すぽっと収まってしまう。
・・・・・。
チャンミンは目を閉じたまま、
腕の中に引き寄せた私と
おでこをぴたっとくっつけ、
「・・・一緒にいて。」
そう懇願する様に呟き、
そしてそのまま
・・・静かに唇を近づけた。
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ゆうたろう(プロフ) - かなさん» かなさん、ありがとうこざいます＾＾更新ぼちぼちですが、また読んでやって下さい。チャンミン彼女には甘々なイメージありますよねぇ。フフフ… (2019年2月23日 8時) (
レス) id: 2bba9131ef (このIDを非表示/違反報告)
かな - ときどきやってきて、読ませてもらっています。チャンミンにキュンっ (2019年2月20日 23時) (レス) id: e04eb6e781 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうたろう
| 作成日時：2019年1月19日 0時
