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23. ページ25

てっきり罵倒されると思い、私は少し目を閉じた
でも何も聞こえなくてびっくりして目を開けた

父と母は全てを悟ったようにこちらを見ていた

「何よ。言いたいことないの?」

私はカツカツとブーツを鳴らして、2人に近づいていく

「私はあんたに殺されてもおかしくないよ」そう言って母は少し笑った
「これでお前が楽になるならいいさ」そう言った父は私を見据えた

「バカじゃないの」

それしか言葉が出てこない
今頃こんな言葉をかけられても遅いんだよ

もういない、純粋な私は。

私は父と母が知ってる私を捨てた
これからは情になんか流されずに生きていかなきゃ、私が死ぬ

私は躊躇いなく、2人のお腹に銃を撃った

「そんな言葉で惑わされないから」

2人はお腹を抑えてうずくまった

最初に父の方へ足を運んだ

「お前は狂ってる。お前の血は紅くない…」父は苦しそうに言った

「狂わしたのは誰よ」
私は銃口を父の頭に向けた

「そうだ。俺達だ。…A」そう言って父は深呼吸した

「愛してる」そうあの頃の優しい笑顔で父は言った

その言葉は私をまた狂わしてどこか黒い感情へとおとしてゆく
私は頭を撃ち抜いた

血は私に跳ね返って笑いが込み上げた

そして「今さら何言ってんの」倒れた父にそう言葉を返した

そしてそのまま母へと近づいた

「…あんたなんか産まなきゃよかった」母は苦しそうに言う

「私達の元で生まれたからこんなに苦しんで、生きてるのが辛いんだよ…」母はそう言って手をこちらに伸ばした

「…あんたの頭、優しく撫でて育てる親じゃなくてごめんね」そう言いながら母は涙を流した

「A…」
母は私の名前を優しく呼んで

「愛してる」と綺麗に微笑んで、言った

私はもう訳が分からなくなっていた
でも、黒い感情は私を正しい道には戻してくれない

私は母の頭を撃った

倒れる母を見て笑いしか込み上げない

「ハハハっ何が愛してるだって?今まで散々私のこと傷つけて、光を失わせたのに?!」

私の目からは涙が溢れていた

「ばっかじゃないの!」

私は足に力が入らなくなり、その場に崩れ落ちた

「遅いんだよ、もう遅かった。私もずっと愛してたよ…」

私は顔を手で覆った

「あの頃にその言葉をかけてくれてたら変わってたのかもしれない。…今はもう“愛してる”なんて言葉は捨てた」

私は上を向いて涙を流し、笑った

傍から見ればただの狂った女






______これが闇の蝶の始まり

24.→←22.



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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます!その言葉全てが嬉しいです!マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します! (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます!こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです!最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます!最後まで応援しております! (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年8月30日 1時

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