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こんな時に思い出したくなかった
「愛してる」
父と母が揃えて最後に口に出した言葉
ポロっと涙が出てくる
そうだ。ずっとこの言葉を忘れていた
キヨ「どうした？痛かった？怖かった？」
行為を終えて涙を流す私を見てキヨはさっきと同じように心配な顔を見せた
「違う。大っ嫌いな家族のこと思い出した」
私が布団にくるまってベッドに座るとズボンだけ履いたキヨも向かい側に同じように座った
キヨ「それがAの苦しめてる過去か？」
「そうだよ。ずっと私の中から消えてくれない」
キヨ「話してみろよ」
キヨは優しく笑って私の頭を撫でた
「実は__」
私が辿ってきた人生の話をした
母と父がどんな人物だったのか
子どもの頃は幸せだったこととか
包み隠さず全部
そして
「私がこの世界にきて1番初めにやったことが」
ずっと私の中で呪いのように苦しめた
「父と母を殺した」
最期の家族の話に繋がった
キヨは固唾を飲んだようにこちらをじっと見つめる
私は全て繋がったあの日のことを思い出した
_____キヨを狙った日と同じ秋が近づく肌寒い1日だった
その頃は裏社会に入りたてで、ヒットマンとかそんなの考えていなかった
ただ私の欲望のまま動いた
その時には疎遠だった父と母を見つけ、呼び出した
「なに、夜にこんな所に呼び出して。しかもこの男と」母は怪訝そうに父を見て私を見つめた
夜の蝶の母はあの頃と変わっておらず派手なまま
「俺もこんな女と同じように呼び出されるのはごめんだ」
少し疲れきっている父はため息をついた
「うるさい、少しはその口閉じてられないの？それにここがどこか分からないの？」
私は父と母から目を逸らして下を見た
「どこ？」と悪態をつく母と「早くしろ」と急かす父
「昔、貧乏なりに幸せに暮らしてたあの頃のマンションの跡。今はマンションもその頃の幸せも、もうないけど」
2人は黙り込んだ
「私は何度もその頃に戻りたい、またやり直せるって思ってたよ。だって家族だもの」
私は腰に突っ込んでいたサプレッサー付きのハンドガンを右手に持って見つめる
「でもそんなの無駄だった。そう思えば思うほど、私は生きてることに後悔するぐらい辛かった」
そしてもう一丁左手に持った
「どうすればいいのかなんて分からないし、どこから狂い始めたのかも分からなかった」
そして両手で2人に銃口を向けた
「だから純粋に普通の女として生きることをやめたの」
私はニヤリと狂ったように笑みを浮かべた
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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (
レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます！その言葉全てが嬉しいです！マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します！ (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます！こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです！最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます！最後まで応援しております！ (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2019年8月30日 1時
