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34. ページ36

キヨside

俺はAの手を取り走った

誰にも追いつかれないように
誰にも見つからないように
誰にも取られないように

俺らは一言も話さずに夢中で走った

着いた場所は____

「キヨの家」

Aの呟きに何も触れず自分の家に入った

Aはきっと疑問を持ってるだろう
俺はそんなことを思いながら久しぶりに感じる我が家のテレビをつけた

キヨ「お前、有名人だな」

暗い部屋に煌々とテレビの明かりだけ輝いていた
そのテレビでは殺人犯のAが逃亡したというニュースの内容

「そうだね」

Aは無言でテレビを消した

「一緒に逃げるんだよね。どうしてここへ?」

Aは遠慮がちに聞いてくる
暗くて表情は分からないがどこか悲しそうに感じた

俺は何もかも始まったこの場所が良かった
この場所で全てを終わらせたかった

キヨ「Aが逃げろ。俺はここで全てを終わらせる」

俺はAに近づく

キヨ「俺はずっとAと一緒で警官の裏の仕事を請け負ってきた。俺の肩に赤いハートが彫られてたろ?」

ようやく目が慣れてAの顔が見えた
涙が1粒流れていた

Aはゆっくり頷いた

「ハート、クローバー、ダイヤ。貴方達は裏社会の幹部だったのね」

Aは少し涙声になっている

キヨ「Aだけが闇の部分があるわけじゃねぇ。俺もあるんだし誰にでもある」

Aの頭に手を乗せた

キヨ「胸張って生きろ」

これは白のクリーンな俺の言い分

キヨ「それか一緒に死ぬか?」

これが闇のダークな俺の言い分

ニヤッとするとAは目を丸くした

キヨ「これが俺の本性」

Aの唇にキスを落として、ナイフを取りに行く

「キヨ、一緒に死のうよ」

Aは明るい口調で言って俺の背中に抱きついてきた

Aの言葉に驚いて何も言えなかったがAを黙ってリビングの床へ押し倒した

キヨ「お前を俺が指す、それから俺を刺せ」

俺は静かに伝える

「一緒に地獄に行こう、2人なら怖くない」

俺の下にいるAは笑った
その笑みは今までで1番綺麗で優しかった

死ぬと分かってそんな笑い方出来るAは本当に狂ってる
そんなAを死ぬほど愛してる俺はもっと狂ってるな

俺はふっと笑った

耳元に顔を寄せ伝える

キヨ「A愛してる」

「私も愛してる」

俺は刺し、Aは涙を1粒流した

ナイフの血はとても綺麗な深紅だった

キヨ「お前の血は黒くねぇよ」

Aの手を握って俺自身を刺した


キヨ「強く…生きろ」

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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます!その言葉全てが嬉しいです!マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します! (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます!こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです!最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます!最後まで応援しております! (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年8月30日 1時

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