【銀魂】真選組副長補佐をオトす方法２

81話(夢主様side) ページ44

翌朝。
今日は妙に目覚めが悪かった。
いつも同じ時間に起きるのにもかかわらず、今日は
五分程寝坊してしまった。









もしかしたら昨夜の事が関係しているのかもしれないと、ため息をつきつつ考える。
手早く隊服に着替え、顔を洗って食堂に向かった。









「おお、おはようAちゃん！」









「あ、おはようございます近藤さん」









「なんか元気が無いみたいだが大丈夫か？
悩みがあったらいつでも言ってくれていいからな！
ガハハハハハ！」









「ふふ、ありがとうございます」









食堂の席に着くと、近藤さんに声を掛けられた。
すごいな、ほんの少しの変化にも気付くとは、
流石は我らが局長、近藤さんだ。









少し経って、沖田さんが目を擦りながら、怠そうに
食堂に入ってきた。








「あ、おはようございます、沖田さ」








「あっ、おはようございます！総悟隊長」








沖田さんに挨拶しようとすると、急に視界が塞がった。
すぐに視界が開けると、目の前にいたのは藤咲さんだった。








まるで私の声に被せるように言ってから、沖田さんに駆け寄って行った。
会話の内容までは聞こえてこないが、どうやら普通に会話しているようだった。








沖田さんが来てからまた少し経ち、今度は土方さんが食堂にやって来た。








昨日は少し冷たい物言いをし過ぎてしまっただろうか。そう思って挨拶と一緒に謝りに行こうとすると、また視界が塞がった。
さっきと同じだった。
視界が開けると、藤咲さんが愛想笑いを浮かべながら土方さんにニコニコと話しかけていた。







またかよ。何なの。
ことごとく邪魔してくるよね。
マジで何なの。








結局土方さんにも何も言えず、沖田さんにも挨拶
出来ずじまいで、朝食の時間になってしまった。








頂きます、と食堂に隊士の声が響いた。
いつも通り、騒がしいがそれでも心地良い雰囲気の
朝食。
それが私には、何故か少し重く感じた。








また無言で朝食を食べ終え、黙って食堂を立ち去ろうとすると、土方さんに声を掛けられた。








「A、悪いが後で俺の部屋に来」








「十四郎副長っ、おかわりいりますか？」








土方さんの言葉は途中で遮られてしまったが、彼が何を言いたいのかは分かった。
私は頷いて、食堂をあとにした。








土方さんの言葉が遮られた時、小さく、しかし
はっきりと舌打ちする音が聞こえた。

82話(夢主様side)→←80話(土方side)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す