57話(沖田side) ページ19
_気に食わねェ。
それが今の俺の心境だった。
土方コノヤローはニコチン依存症だから、
屯所内全域禁煙にすればストレスで死んでくれるんじゃねえの?という俺のアイディアは意外にも
隊士達に支持され、それは実現されたわけだが。
何故か街中まで全域禁煙になっている。
ま、どこに行っても吸えないなら、ニコチン不足で
死んでくれるんじゃない?と思っていたのだが。
「土方さん、大丈夫ですか?」
「私も手伝いますから、これきっかけに禁煙しましょう、土方さん?」
それなのに、アイツは_Aは、どうして余計
土方さんの所に行くようになったのだろうか。
何だよ、逆効果じゃねえか。
今でも、名前を呼べば来てくれるし、
話もしてくれる。
でも、あからさまに土方さんの心配ばかりして、
あまり俺に構ってくれなくなった。
「A」
「何です、沖田さん?」
ほら、答えてくれるんだよ。
いつもの笑顔で。
分かってる、十分過ぎるほどに。
アイツが仕事仲間に恋愛感情を抱かないこと。
それはつまり、Aが土方コノヤローの所に
行くのはただ心配しているだけであって、
恋愛感情が彼女を動かしているのではない。
その代わりに、Aは俺のモノになるということも
無いというわけだ。
「_さっさと諦めるべきですかねィ…」
思わず口をついて出た言葉に、Aが反応した。
「…ちょっと沖田さん、大丈夫ですか?
自分から呼んだくせにボーッとして、その上
さっさと諦めるべきって、何の事ですか?」
「あ、何でもありやせん。気にしないでくだせェ。
_ほら、土方コノヤローの所に行くんだろィ。
さっさと行ったほうがいいと思いますぜ」
投げやりに言った言葉に、Aは数秒、きょとんとしてこちらを見ていた。
が、何かに気が付いたかのようにクスリと笑う。
「土方さんなら、大丈夫ですよ。近藤さんが、自室内での喫煙を許可したらしいので。
それより何ですか、その投げやりな言い方は。
もしかして、嫉妬されてます?」
いたずらっぽく言って笑うA。
普段クールなだけに、無邪気な笑顔のAは
より一層可愛らしく見えて、
「嫉妬なんかしてねえやい。全く、Aは
狡いでさァ」
「何処がですか」
Aが仕事仲間を恋愛対象として見なかろうが
関係ない。
俺の恋はまだ終わったわけじゃない。
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蒼桜 - アトさん» コメント有難うございます!藤咲さん、悪女っぷりを発揮し始めてます(笑)面白いと言って頂けて幸いです!次巻が公開されたら、是非訪問してくださいね♪ (2018年12月30日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
アト(プロフ) - 藤崎バルス。すごく面白いです!(*^ω^*) (2018年12月29日 20時) (レス) id: e67fafc940 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - 乃愛さん» コメント有難うございます!面白いと言って頂けて嬉しいです!これからの展開、是非期待してくださいませ!(笑)これからも頑張ります! (2018年12月26日 20時) (レス) id: 6b4203fd69 (このIDを非表示/違反報告)
乃愛 - 初コメです!この小説とっても面白いです!毎回楽しく読んでいます!ライバルの女の子が出てくるとことか凄く楽しみです!更新頑張ってください(〃⌒ー⌒〃) (2018年12月26日 18時) (レス) id: 986dd761b2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼桜 - RURUさん» 本当ですか!とても嬉しいです!有難う御座います!名前変換と言いますと、現在の伊勢屋篇の姉妹達の名前とかだったりしますかね?一応出来るようにしておきますが、間違っていたらすみません! (2018年11月11日 10時) (レス) id: 09d654d65e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千暖 | 作成日時:2018年11月5日 16時