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◆61 ページ12

「うっし、じゃあ帰るか」


ケンチンの一言で、みんな階段を降りていく。


「A…って怪我酷いじゃん!
早く帰って手当しないと!!」




マイキーが、手で頬の血を拭ってくれる。
それだけで、なんだか心があったかくて。


私はその場に座り込んだ。




「A?痛い?オレがおぶって………」

『あるところに、一人(独り)の女の子がいました』

「え?」









そのまま話し出す私に、
その場にいたみんなも足を止める。









『その子は毎日友達と遊んで、楽しい毎日を過ごしていました。
中二の夏、その子は暴走族のチームの一員になりました。
頼もしい仲間と七人で、楽しく過ごすはずでした。
…その子はその夏、父親を殺しました』

「!」




マイキーが目を見開く。




『幼い頃に母親を事故で亡くし、父親から虐待を受けていたのです。
我慢できなくなったその子は、父親の心臓を刺しました。
何度も何度も刺しました。真っ赤に染まる父親を見て、笑いました。
そして、そのまま少年院に入りました。
その子はそれをきっかけに狂いました。
誰にも興味を示さず、誰を傷つけようが、関係ない。そう思っていました。
二年経った今年の夏、ある一人の男と出会って、その人と結託しました。
かつての友人と決別し、敵対する事を選びました』


「A……」









私の事だとは言ってない。
けど、内容からして私だと分かるだろう。









『私は、あの日から壊れた。
今までの私は、いなくなった……ううん、そう“演じてた”。
でも、マイキーと再会してから、意思が揺らいだ。
マイキーの隣に立つ資格なんて無いのに、
貴方の隣に居たいって思ってしまう』



マイキーの真剣な瞳と、視線が合う。









 





 






 




 




 









『……また、戻りたいって思うのは、ワガママですか?』

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重岡ゆう毅(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんありがとうございます!大好きだなんて( ; ; )嬉しいです!これからも宜しくお願いしますね(o^^o) (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - Chaosさん» Chaosさんありがとうございます!更新は夜が多いですが、なるべく一日に沢山更新出来るように頑張ります^_^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - お餅さん» お餅さんありがとうございます!これからもからも応援宜しくお願いします^^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 重岡ゆうさんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年9月11日 22時) (レス) id: 935b93b187 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年9月8日 14時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年9月1日 22時

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