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私が神社に着いた時、
何やら稀咲の声が聞こえた。


マイキーの為に動いた、とか
マイキーを輝かせる為に、とか。

しまいにはお互いが必要だとか抜かしてやがる。





『…随分と調子に乗ってんなぁ』





私は神社の階段を上り、
ズカズカと下っ端の中を歩いて行く。









『さっきからうるせぇよ』




私がそう言えば、全員が私を見た。


「Aさん!?なんで来たんだよ!?」

「…千冬、オマエ集会の事話したのか?」

『千冬は悪くないよ。
私が勝手に病院抜けてきただけだから』




私は稀咲の元へ真っ直ぐ歩き出した。
周りの奴らはスッ、と道をあける。



『…稀咲、あんま調子乗んなよ。
アンタが来てから確かに東卍はでかくなった。
けどそれ以上に失ったものの方がもっと多い。
アンタの存在は東卍にとって毒だ……半間、アンタも』


半間を睨むと、半笑いでこちらへ歩いてきた。


「何言ってんだよAチャン?
オレらクビ宣言されたんだぜ?Aも抜けんだろ?」

『半間こそ何言ってんだよ。
私がアンタの下につくことはこの先一生無い。
私は、佐野万次郎に全てを預ける決断をした』

「…オイオイ、目ェ覚ませよ。
そんな特攻服まで着ちゃっ、て………」









半間が私の特攻服に目を向け、
左袖に縫われた文字に目を見開いた。









「…“総長補佐”……」

『私の居場所はアンタの隣じゃない。マイキーの隣だ。
そして、東卍こそが私の在るべき場所だ』

「お別れだ、稀咲。その決めつけが夢を狂わせる」





マイキーは稀咲に背を向け、神社の奥へと消えて行った。




「これで集会は終わりだ!!」









「…Aいいのか?東卍につくなら容赦しねぇぞ」

『…半間。アンタについた事、後悔はしてない。
けどこれ以上、アンタらの好きにはさせない』



長身の半間を見上げる。
今までで一番、冷たい目をしていた。



「…ハッ、せいぜい仲良くしてろよ。
次会う時は敵だな。お別れだ、A」









 






 







この時私は、
この先起きる出来事に気付くはずも無かった。

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重岡ゆう毅(プロフ) - 夜月さん» 夜月さんありがとうございます!大好きだなんて( ; ; )嬉しいです!これからも宜しくお願いしますね(o^^o) (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - Chaosさん» Chaosさんありがとうございます!更新は夜が多いですが、なるべく一日に沢山更新出来るように頑張ります^_^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - お餅さん» お餅さんありがとうございます!これからもからも応援宜しくお願いします^^ (2021年9月11日 22時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
夜月(プロフ) - 重岡ゆうさんの小説大好きです!これからも頑張ってください!応援してます! (2021年9月11日 22時) (レス) id: 935b93b187 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2021年9月8日 14時) (レス) id: c7227097e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:重岡ゆう毅 | 作成日時:2021年9月1日 22時

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