口が悪くて何が悪い (ページ22)

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21. ページ22

江口side

「ぁー、言ってませんでしたね。
私生まれつき弱視なんですよ。だから
コンタクト外すとほぼ見えなくて。
お風呂上がりって着替えてからじゃないと
コンタクトつけないじゃないですか。」

江口「…パジャマから着替える時は…？」

「んー、でもここ、太もものちょい裏らへんですよね？
普通に着替えてても見えないかも。」

江口「あー、たしかになぁ。
ってか、弱視なんだ。あれ？弱視の人って、
目の色素薄いんじゃないの？」

「いや、それ多分機能してないやつですね。
私は別に機能してるので。」

江口「そういうことね。でも大変だねぇ、」

「慣れたらそんなでもないですよ。」

江口「…そうなんだ…」

「はい。」

弱視なんて、知らなかったな。

江口「じゃあ今は見えるんだね。」

「まぁ、はい。」

生まれつきかぁ…可哀想だなこいつ…

「別に可哀想なんて思わなくていいですよ。」

江口「いや怖いお前エスパー？」

なんかこれ花江にも言ったな
デジャブだわー、

「別に可哀想ではないです。
こうなるほど、前世で余程悪いことをしたんでしょう」

江口「…、悪いことしたならこんな可愛い
人間には産まれないんじゃない？」

「えっ…？」

江口「たしかに弱視ではあるけど、
可愛いし、口は悪いけど優しいし、声も良いし、
なにより五体満足で産まれてきたし。」

「…変わり者ですねホント。」
江口「俺今褒めたんだけど！？」

「…ありがとうございます。元気出ました」

江口「ならいいんだけど。」

ﾋﾟﾛﾝｯ

「んぇ…？」

花田「酔ってごめんね、大変だったよね」

「花田さんか…」

「別に大丈夫っすよ。西山先輩が運んでくれたんで。
私より西山先輩に言った方がいいっすよ」

江口「……」

なんだかんだ、Aも花田くんには
ちゃんとかまってあげるんだよな。

「何しゅんとしてるんですか？」

江口「え！？」

「えって何よえって。」

江口「な、何でもねぇよ！」

「そうですか。
もう1時ですね…寝ますよ。」

江口「…おう。」

はーぁ、心臓もたねぇよまじで