覚醒ストレンジャー！ ページ3
*
「ああ、やっと見つけました。
君、今年の新入生ですね？」
『ん……？新入生…？』
グリムをムチで叩いたと思われる人物はおれ達に向かって意味の分からないことを言い出す。
いや、おれもう入学式終わってるんだけど？
「ダメじゃありませんか。
勝手に
「それに、まだ手懐けられていない
使い魔の同伴は校則違反ですよ。」
どうやらここはおれのいた世界とは違う世界らしい。おれのいた世界には使い魔なんて居ない。
おれの隣で話を聞いていたお姫さまもとても混乱している。
「離せ〜！
オレ様はこんなヤツの使い魔じゃねぇんだゾ！」
「はいはい、反抗的な使い魔はみんなそう言うんで
す。
少し静かにしていましょうね。」
「ふがふが！」
「まったく。勝手に扉を開けて出てきて
しまった新入生など前代未聞です！」
「はぁ……どれだけせっかちさんなんですか。」
「さあさあ、とっくに入学式は始まっていますよ。
鏡の間へ行きましょう。」
男は呆れたようにそう言う。
鏡の間…恐らくおれ達が初めいたところだろう。思い返せば鏡が沢山並んでいた気がする。
「鏡の間……？」
どうやらお姫さまは混乱しているのか頭が働いていないらしい。
「貴方が目覚めたたくさんの扉が
並んでいた部屋ですよ。」
「この学園へ入学する生徒は、全てあの扉を
くぐってこの学園へやってくるのです。」
「通常、特殊な鍵で扉を開くまで生徒は
目覚めないはずなんですが…」
「それまでの世界に別れを告げ、新しく生まれ変わ
る。」
「あの扉の意匠にはそんな思いが
込められているのです。」
「……おっと！
長話をしている場合ではありませんでした。」
「早くしないと入学式が終わってしまう。」
「さあさあ、行きますよ。」
言っている意味はさっぱり分からないが取り敢えずだまってついて行くことにしようか…いや、この世界について聞いた方がいいのか？
て言うかあの箱は扉だったのか……
「ぇ、あの…ここ、どこですか…、？」
「おや？
君、まだ意識がはっきりしていないんですか？」
「空間転移魔法の影響で記憶が
混乱してるんですかねぇ……」
「まあいいでしょう、よくあることです。」
「では歩きながら説明してさしあげます。
私、優しいので。」
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作者名：雪宮月華 | 作成日時：2024年2月23日 21時
