成仏させてクレメンス【男主】 (ページ20)

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20話ページ20

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足が痛くても急いで行かないといけない。

何でこんなにも胸が苦しいんだ。

泣きそうになる。

また見る光景。
階段を飛ばしながら降りて薄暗いジメジメとした空間。

トントン「Aっ」

地下にトントンが来た事を察したのか消えた3人が走ってくる。

ゾム「トントンっ！！Aがｯ…Aがぁ……」

トントン「落ち着き…！Aはどこにおるん？」

ロボロ「え、えと…そこにおるんやけど……見える？」

トントン「見えるって何で…」

薄く光り輝いているが今にも消えそうなボーッとしたAの姿。

指先と足先が消えかかっていた。

近づきAに触れると触れた部分が薄く消えかかっていく。

そんな中でも触れられ気づきトントンと目を合わせた。

「トントン…？」

トントン「Aｯ…お前消えかけてるぞ。それに消えたはずの存在のないはずの！3人の記憶が思い出し始めてた…みんな思い出してるんや。」

「え？じゃあ僕消えるんすね。」

トントン「何でそんな軽いねんお前……！！」

「だって僕が消えればこの消えてる3人も元に戻るでしょう？実際消えかけてる間に思い出せとるんでしょ？消えた方がそっちが嬉しいじゃん。」

消えかけてる手をトントンの首に回し、
さらに消えかける。

トントン「お前何してｯ」

「…僕より大きくなったよね。年齢も、身長も、全部僕より超えちゃった。トン君が思い出せなくても…ずっと僕が覚えてるから。」

トントン「＿＿＿＿＿え」

何度も聞いた事がある気がする呼び方。

年齢も身長も全部？
全部超えた？

「……僕の未練ってトン君に会うって事だったのかもしれないね。」

涙と共に耳元で囁かれた。

「…トン君の前の名前はシュヴァインだよ。さようなら。」