成仏させてクレメンス【男主】 (ページ21)

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21話ページ21

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消えてく身体。

散り散りとなって夜空に消えてくんだ。

ずっと耳鳴りがする。

『逃がすものか』だとか、
『一生成仏などさせない』だとか…

僕を逃がさないつもりなんだろうけどトン君に会ったんだもの…未練も何もない。

これでやっと平和になったんやね。
よかったねトン君。

あぁ…もうちょっとで、消える＿＿＿＿＿。

トントン「A兄ｯ…！！！」

「！」

トントン「行かんとってA兄っ…もっと遊んでぇやぁ……」

「…記憶、入ってきたんだ……。」

トントン「消えんといて欲しい…っ」

「無理だよ…僕もう死んでるし、そこの闇から逃げるのにも消えた方がいいしね。それに…僕にはもう未練なんてないからね。」

これ以上いたら現世に留まりたくなる。
そしたらあのクソ親がトン君にへばりつくだろう。

トントン「それでもｯ…」

こんな必死になってくれる所も変わってないんだなぁ。

「…トン君、君もう仲間いるし大人でしょ？」

消えかけのなか、
トントンの後ろの方に目を向ける。

「僕の弟をお願いするね。」

ロボロ「弟…」

エーミール「親友だと書かれてたんですが兄弟だったんですね…。」

「僕の事無いものとして扱ってたからやね…まっ、トン君の事よろしゅうに。じゃねっ。」

トントン「A兄やん…」

「僕はずーっとトン君の事見てるから安心して！大丈夫やよ。」

小さく手を振り壁を突き抜け夜空に向かいつつ散り散りとなって消えていく。

「あ……」

トン君と暮らしてた家の幻覚だ。

懐かしい。

「ばいばいトントン。」