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「と、に、か、くー。私ってば超ビビりだから色々話しちゃうぞー! まずはこっちだー!」
色々とノリノリになりながら歩き出す。が、兵士の横を通り過ぎる前に、兵士が装備していた銃を拝借し、その人の方へと投げ渡した。ついでに追加の弾もね。
「銃と剣に対して素手かー、いやー勝てないなぁ!!」
「白々しいんやけどコイツ」
「久し振りのシャバの空気をはよ吸いたいんじゃ、分かったらとっとと動けや」
「何やねんコイツ…」
「諦めろ、こういう奴だ」
「ひっど! もーちょいまともな所知ってる癖にー!」
てこてこと歩き、色々な物が置かれた倉庫のような空き部屋へと入って行く。そして、二人を中に入れ鍵を閉める。手頃な縄梯子とロープを手渡す。
「はいこれ、これ使って窓から出て。届くのは確認済み。後はソイツで私を適当に縛り上げれば完成!」
私がそういうと、二人は首を傾げていた。
「え、何か変な事言った?」
「何言ってるんだ?」
「お前も連れて来るように言われてんねん、お前の所の両親と妹からの条件らしいで」
「うぇー…? 大丈夫? 私死なない?」
「ああ、此処まで手助けをされた以上は此方も責任を持ってお前を保護しよう。デットマー10世」
はえー…。まさかマジでシャバの空気が吸える日が来るとは…。なんて軽く感動していると、ドンドンドンッと扉を叩く音が聞こえた。
「デットマー10世!! いるんだろう!! 其処を開けろ!!」
何てこった、来たの医師の先生かよ。
「無理です! 無理ですってせんせー! 縄抜けらんないです!!」
「お前縄抜けできるだろうが!!」
何で覚えてるんだよ!! 習ったの三年前なんだけど!?
「やり方忘れました!!」
「いいか、お前はお前のやりたい事をやり続けてろ!! こっちの事は気にすんな!!」
「こういう時ばっか優しい事言ってんじゃねーですよ! せんせーもまた会いましょうね!!」
縄梯子の用意ができたらしい、肩に手を置いて来たので窓へと向かう。下へと降りて行けば、難なく外へと脱出できた。今は二頭いる内のフードの男性の方が乗っている方の馬に乗せてもらい、この二人の国へと向かっている。
「はえー、5〜6年ぶりのシャバだー」
「ずっと城におったんか?」
「そだよー、メンタルがフルボッコだった時期にあの先生に面倒見てもらってたー」
馬から見る景色は、見た事が無い新鮮さがあって、何だか自分が風になったような気分だ。それに浸っていると、何だか眠くなって来た。
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作者名：ゆうにゃん | 作成日時：2019年5月23日 21時
