《第1弾》ブーゲンビリア〜M.Tasuku ver〜

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お粥を片していると翼のスマホがブルルッと震えた

チラッと視界に入ったのは大野社長
プライベートに干渉しちゃいけないのは分かってるけど、それがとても気になってしまった私はつい、通話ボタンを押してしまった

「あ、翼？朝早くごめんね｣

のんびりとした耳障りのいい声

「す、すみません。私です。彩です。今日翼が寝込んでて…｣

「え、そうなの…！？やっぱり無理ちゃったかな。容態の方は…？大丈夫なの？｣

心配してくださっている社長に容態を伝えてから今のところ大丈夫そうだと伝えると安堵の息


「そっかぁ、良かった。実は昨日すんごい量やらせちゃってさ｣

どうやら二宮くんと櫻井先輩が出張でいなく、金城さんは休み。相葉さんはお客様に指名され、中々解放されず、私とナナはクレーマーに捕まり5時間の説教。おかげで肩がこりました

新しい仕事を進めるのに選抜したかったメンバーが揃わず松本くんと翼の2人でやったそうだ

その仕事というのが、1日でかつ正確に終わらせなくてはならなかったので神経は使うし、ノープランだったようで取引先を決めて瞬間でアポ取り、午後には取引役の人との打ち合わせ。
それから帰ってきて、案件まとめてお客様にもう一度話を聞き、社長のところに持っていく、

普段この仕事、1週間はかかる。より手をかけて寄り良いものにするために。

お客様にはお客様の時間があるし、取引先の、会社にもある。
そして、こちらの都合も。
お客様の方はすんなり連絡がとれたそうだが、取引先とはだいぶ揉めたらしい

「昨日いっぱい頑張ってたから疲れちゃったかなって心配で電話したの。やっぱりそうだったんだね。
ちょうど今近くいるから家行ってもい？｣

そんなわざわざ！と断ったが俺が行きたいの。ダメ？なんて言われたら断れない

「じゃー、11時頃に行くね〜｣
ツーツーと切れた電話

翼に伝えに行くのと同時に謝った

11時まで30分もない

慌てて着替えてメイクして部屋を少し掃除して、まだ食べてないガレットに加え、皆で摘めるものを準備してから、翼の冷えピタを持って寝室に行った

翼は起き上がって服に着替えていた

「ダメだよ。ちゃんも寝てなくちゃ｣

気持ちはわかるけれど…

「でも、あんま心配かけなくないから。ちょっとだけだから｣

ほら、そうやって自分のことはいつも後回しで

私はやや不貞腐れたけどピーンポーンとなったチャイムに慌ててドアを開けた

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