《第1弾》ブーゲンビリア〜M.Tasuku ver〜

○ ページ34

※地味にエ○いので注意です！

サワサワ…と揺れる木々の間を2人で通っていく

さっきまではあんなに人で沢山だったのにこの辺は人もチラホラ

なんとなくだけどこの先、嫌な気がする
メリーゴーランドやジェットコースターなどの華やかな音は消え、辺りにはポツンポツンと零れる私たちの会話だけ

別に会話が無いわけじゃないんだけど、周りの雰囲気的に寂しい

…多分私だけ

だって隣の翼はテンションMAXだもん！

「ね、アーヤ！楽しみだなぁ〜！｣

さっきからこれしか言わなくて

「何が？｣

って聞くと
「着いてからのお楽しみだよ〜。
てか、さっき予定立てたでしょ！
思い出して｣

この調子

この鬱蒼とした森のような場所の最終地点が見えた時、翼は私に目隠しをして手を引いた

「え？え！？｣

「お楽しみだから、着いてきて？｣


耳元で呟くように言われたら私だって頷かざるを得ない

翼のいる右側だけ熱い


「あ、これで｣


翼が多分係の女の人と話すのが聞こえる

「段差あるから気をつけて｣


トスンと座ったそこは固くて、ひんやりしていた


何やら不気味な音楽が流れていてそこに似つかわしくない女の人の「いってらっしゃ〜い｣という声を聞いてハッとした


「め、開けていいよ｣

ギィィと開く扉に私は確信を得た

…絶対開けないから


「ダメだよ。目を開けてくんなかったら開けるまでキスするからね｣


「別にいいもん｣

「今夜どうなるか分かってるの？｣

「構わない｣

「ここでも？｣

うっ…


「この間のアーヤ可愛かったなぁ〜。
今日もそうしてもらおっかな。
俺の上でア…「あわわわ、ダメダメ！！目開けるからこれ以上言っちゃダメ！｣



どっくんどっくん尋常じゃないくらいになる心臓

翼のバカ

恐る恐る目を開けるとちょうど目の前には血まみれの女の人！

近づきたくないのに、乗り物が動いていくから女の人にギリギリまで近づいて…


また、その人が離れると今度は赤ちゃんが…


次から次へと変わってく景色

目を閉じたいのに、あまりの怖さに声も出ない

息が苦しくなってきたけど、息ってどうやって吸って吐くんだっけ

ぎゅうぅぅぅぅと翼の服を掴むと

「いたいいたい｣

なんて隣で爆笑してる翼が言うけどお構い無し

翼によって剥がされた手には空気が辺りひんやりとしてその感覚でさえ私を恐怖に陥れた

翼は私の手を掬いとって自分の手に絡ませた

翼の手がやけに暖かく感じた




気がつくと私はキラキラとする太陽の下に出ていた

○→←○

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す