《第1弾》ブーゲンビリア〜M.Tasuku ver〜

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ﾊﾟｯと彼の顔を照らす信号の色が変わり、車が発進する


ﾁｯﾁｯﾁｯﾁｯ
ウィンカーの音に合わせて心臓が早くなる


キュンッの方じゃなくてヒヤッの方で


「…プール、いくの…？」


「あれ、明日は大丈夫な日だと、思ってたんだけど…違った？」


再び捕まった赤信号で顔だけこちらに向けて不思議そうに聞いてくる
…そーゆー問題じゃなくて…


「ちょっとお肉がついちゃったから…」


私の言葉にﾊﾊと軽い笑い声


「ちょっと！大真面目な話なの！」


怒ったように言ってみれば笑いを堪えながらごめんごめんと言う



「ちょっとくらいなら大丈夫だよ。もともと細いからね」

それからソッと耳に、口を近づけて
「少しくらいお肉があった方が抱きついたとき心地いいしね」


ｸｽｯと笑った息が耳にかかってくすぐったい


「ちゃんと運転して！」


グイッと、翼を席にもどすとバレないように息を吐いた

もう、ほんとにやめてよ

心臓に悪いから

ドキドキしてる心臓を抑えるように手で顔を覆う


ダメだ…油断すると顔が緩んじゃう


車を走らせる音の中に
クククと喉をならす音が混じってるのに気が付いて目だけです隣をみると、こちらをみて笑ってる翼がいる


「もうっ！」


「ごめんって」

お腹を抑えて目に浮かんだ涙を拭う


「ほら、着いたよ」

ツンとそっぽを向いてると、私の目の前が暗くなる


「っ！？」



瞑っていた目をゆっくり開けると、目の前にはニコニコ笑顔の翼


コツン…


一歩下がるヒールの音が駐車場に響く

「俺、もう待てないよ？こんなところで…いいの？」



クスリと笑って



くいっと私の顔を上に向けると唇にキスを落とした


「なっ…！？」



「ほら、はやく」

自然と繋がれた手を見つめながら思う
…結局翼のペース


それが居心地よくて素直にうなずいてしまう私





翼の部屋に入ると早速テレビをつける

…翼はちょっと、意地悪

翼はソファーに座ってケータイをいじり始める


ここに彼女がいるのに


…私、いつからこんなにめんどくさい彼女になったの？


私の不満度はそろそろ到達しそう

むぅ


「翼…かまって？」


ケータイを、みている翼の後ろからぎゅっと、抱き締める


鼻を掠めるシャンプーの匂いに酔いそう


ぎゅうううと思わず力を込める

抱き締めれば抱き締めるほど「好き」が溢れてくる


「なぁにアーヤ

かまってちゃんなの？」

「かまってちゃんだから、もっと



もっと、かまって？」

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