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1枚上手 ページ9

真夜中

まだまだ大人は活発に活動する時間

チッチッチッとなる車のウィンカー

信号が青になると同士にギュルギュルと音を鳴らしながら2台、3台と車が曲がっていく

その、車の奥

愛しいショコラ色した髪を風になびかせて1人で歩いているアーヤを見つけた

向かい側にいるアーヤと一緒に帰ろうと横断歩道を見つけて信号を待っている間

アーヤは俺に気付かずにドンドン駅に進んでしまう

車の多いこの通りの信号は地味に長い気がする

車の方の信号が黄色に変わった

その頃には俺の愛しい人は随分先にいたがまだちゃんと見えている


「あのぉ、すみません」

ようやく歩道の信号が青になった時、俺は若い女性2人組に話しかけられた

「この近くで今から飲もうと思ってるんですけど、お兄さん一緒にどうですか?」

街は、大人は、夜が好き


「いや、俺帰るんで、すいません」

正直いって疲れてるのにこんなに香水の匂いを間近で嗅ぐのは鼻が死ぬ

「えぇ〜、お兄さぁ〜ん」

これから飲むと言っている割には既に酔っているようで、ぐるりと腕に絡みついてくる


エックスラインを強調するタイトなワンピースで、空いている胸元

よく見ると結構美人で、通りかかる人がチラチラとこちらを見ては恥ずかしそうに目をそらす

うん、誤解されるから離してね


そっとその腕を剥がしながら、また赤になった信号を見つめて少し息をつく

青になるまでずっと周りをうろちょろしていた彼女達だが、俺の冷淡な態度に諦めたのか今はもう居ない

そして、アーヤももう見えない

俺が駅に着いた時に出発してしまった電車を見てため息

次の電車は7分後
イヤホンを付けたスマホから流れる音楽を聴きながら電車を待つ


家に帰れば会えるんだから

落ちてしまった気をもたせながらただ退屈な時間が過ぎるのを待つ


「おかえり」って言ってくれるはず

その笑顔が見たくて今日も頑張ったんだから

しかし、待ちに待ったアーヤの笑顔はなかった

少しムスッとした顔で「おかえり」と言うとズルズルと引きずってきた毛布をかかえてすぐに寝室にいってしまった


急いで手を洗ってシャワーを浴びてスウェットに着替えると寝室に向かった

全ての部屋の電気を消して

「ね、アーヤ」

部屋の中ではアーヤがうつ伏せになって俺を待っていた

「なに」


声色は冷たいが本気なわけではないようだ

○→←○



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うーみ(プロフ) - お久しぶりですー!それな、ワンコ系って感じだよね笑 (2020年1月25日 19時) (レス) id: a13d8cf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
みずの(プロフ) - ひなです。お久しぶりです!翼風邪ひくと甘々になりそう (2020年1月23日 3時) (レス) id: d74848b20e (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» 悩む!!!!!← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» うぉぉおぁあぁぁあ!!!!!←←← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
うーみ(プロフ) - Kさん» なるほどー、お気に入りに来ておけばすぐに見つけられるもんね どっちでもいいよ笑 (2019年10月26日 9時) (レス) id: 41901976a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うーみ | 作成日時:2019年8月27日 15時

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