お休みの日 ページ23
「ん…」
ふわりと香った花のような甘い香りとそれに混じった香水や煙草、酒などの沢山の匂い
夜の匂い
遠くの方で「ただいま」と聞こえた気がして、だんだん覚醒する
ゆっくり重い瞼を開ければ、目の前に微笑んだ彼女の顔
カチリ、目が合うと顔を赤くして狼狽え始める
「…朝…?」
覚醒したと思ったのは思い違いか
全く頭が働かない
脳の中心がモヤモヤしてボンヤリする
微笑んだ顔の奥にホッとした色が見える
「夜だよ。
ご飯美味しかったよ、ありがとう」
ゆっくりと俺の傍に座ってピトッとくっ付く
「温かい」
ふふ、と笑って足を絡ませる
「ん…、熱い…?」
ん?
と顔を顰めてもっとくっついて来る
「アーヤ…どしたの…」
覗き込むようにする彼女の肩からサラサラと髪の毛がこぼれるのをボォとみていた
ひんやりのしたアーヤの手が前髪を退けて額に触れる
「…翼、熱ある。
もう1回寝よっか」
熱…?
うーん、そうなような気もしなくもないけど
何せ風邪なんて久しぶりだからこれが「風邪」で正解なのかよく分からない
アーヤの差し出してくれた手を取って立ち上がると2人で寝室に行き、布団に潜る
「部屋の片付けとかしてからすぐ来るね」
といって俺を残してアーヤはあかりの向こうへきえていった
何となく寂しくて、ちょっと悲しい
オレンジ色に優しく光るライトをじっと見つめて、無になっていたが、
しばらくしてもアーヤは戻って来なかった
痺れを切らして、布団から足を出すと凍るほど寒い
背中にかいていた汗が一瞬で冷える
ピトピトと音を鳴らして床を歩き、僅かな隙間からリビングを覗き見ると、アーヤがテキパキと動いていてパチン、と音がすると部屋は暗くなった
「キャッ」
ドアを開けた瞬間、小さく悲鳴を上げてから笑う
「ほら、体冷えちゃうから」
今度こそ2人で入った布団は初めこそ冷たかったがすぐに2人分の体温で温かくなりはじめる
「おやすみ」
温かいアーヤのすべすべした足に足を絡ませ、今夜は仲良くお喋りタイムも如何わしいナニカもなくするりと夢の世界へ入っていた
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うーみ(プロフ) - お久しぶりですー!それな、ワンコ系って感じだよね笑 (2020年1月25日 19時) (レス) id: a13d8cf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
みずの(プロフ) - ひなです。お久しぶりです!翼風邪ひくと甘々になりそう (2020年1月23日 3時) (レス) id: d74848b20e (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» 悩む!!!!!← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» うぉぉおぁあぁぁあ!!!!!←←← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
うーみ(プロフ) - Kさん» なるほどー、お気に入りに来ておけばすぐに見つけられるもんね どっちでもいいよ笑 (2019年10月26日 9時) (レス) id: 41901976a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うーみ | 作成日時:2019年8月27日 15時