《第2弾》ブーゲンビリア〜M.Tasuku ver〜

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この子はつい最近入ったばかりの新入社員でどちらかと言えば不器用だった

「あ"？｣

イッと少し後ずさりそうな女の子

「どれだ｣

スッカリ体を強ばらせたその子は「コ、コレデス｣と片言に喋った

「それは、こっちの資料見ながらこーすんだよ｣

言葉は乱暴なもののしっかり教える金城を見て、「でも1番不器用なのはコイツだな｣と思う

「わかりましたっ！ありがとうございます！！｣

来た時のドキドキはどこへやら。
意気揚々と金城の手でも握りそうな勢いでお礼を言って去っていく女の子を見ながらお腹がなる

そういえば、お昼食べてないなぁ…

あ、家に帰ったら謝んなきゃ
夢中ですっかりパスタの事忘れてた

「おい、キリいいし、飯いこーぜ｣

ググッとパソコンから離れて伸びをする金城に連れられて俺は本日2度目のパスタ屋へ入ったのだ


会社から徒歩10分のイタリアンレストラン
この辺はオフィス街だからここの店にくるサラリーマンはわりといる

周りにも数件店はあるがここが「そこそこオシャレで、時短かつ安い｣てな理由で賑わっている

ランチタイムは過ぎ去ったようでそこまで混雑しておらず窓側の席に2人で座る
さっき同じタラコパスタを頼むと早速本題に入る

「お前さぁ、最近どーなの｣

なんの事だ、とでもいいたそうな顔
「ナナちゃんだよ｣

カランカランとドアのベルが鳴って店内の人は次第に減っていく

ピクリとあげた眉
「別に…｣

スーと斜め右に目が行き、顔ごと逸らされる

わかりやすいヤツめ。
ここまでわかりやすいのはアーヤとお前くらいしか居ないな

「ナナちゃん落ち込んでたよ｣

思わず笑いそうになる顔を落ち着かせ、そういえばチラリと視線だけこちらに寄越してくる

「…原因は｣


「お前さぁ、もっと優しくしてやれよ。

…気持ちは分からないでもないけどさ｣

今度こそ真正面に向いた顔をどうしても上がってしまう口を抑えながら見る

次第に眉間の皺が深く刻まれてハァァと深ァくため息をつかれた

「俺、お前の事嫌いだ｣

「心外だな｣

「お前に俺の気持ちが分かるかよ｣

ムスッとしてしまった金城に苦笑する

「わかるよ。男なら当たり前だろ｣

「種類が違う。あと経験も｣

コイツ、俺をなんだと思ってるんだか

パスタを持ってきたくれたウェイターに軽く会釈をしてから俺を拗ねたような目で見る

「イケメンかつ優しいお前と俺を一緒にすんな｣

○→←金城の進化

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