#03 ページ8
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過呼吸が収まってから数分後、デボルはとある提案を投げかけた。それは彼女の問い掛けにに首を縦横に振るというものだった
もちろん強制ではない。答えたくなければ振らなくてもいいと言ってくれた。彼女らの配慮に心の底から安心した
「じゃあ、まず一つ目だ。ライラ自身に名前以外の記憶はあるか？」
脳裏に浮かんだのは可愛いくて愛してやまない、小さな妹や弟達と過ごした記憶、そして心身に刻み込まれたあの忌々しい記憶も、全て鮮明に残っている
そうだと言うように縦に頭を振るとデボルは納得したように頷く
「ここの村以外であれば『崖の村』、『海岸の街』、『仮面の国』＿＿、この中で聞いた事がある名前はあるか？」
『崖の村』に『仮面の国』…？
どれも素朴な名前では聞き馴染みはない
違和感と聞いた事が無い名前に、ここも素直に今度は横に首を振るが、デボルの眉頭が僅かながら動く
…まずい、記憶があると言って地名を知らないとなると余計に怪しまれるか
やはり肯定すべきであったか
しかし本当に知らない事なのに、嘘をついてまで肯定したくはない。いざその話になれば、話の流れに付いていける自信が無いからだ
暫しの沈黙の間、再びデボルさんが口を開く
「ライラが来ているその服、それはライラの住む村の民族衣装…という事でいいんだよな？」
その問い掛けに私は今着用してる服を確認する。この学校の制服の事だろうか
……まさか…この服の文化というのはこの世界に無いものなのだろうか。…これは……、どうも説明しようがないため、押し黙り、頭を振ることも出来なかった
二度目の沈黙にデボルは、ずっと私に膝枕をしていてくれているポポルさんに耳打ちをすると、また私に向き直り、落ち着いて聞いて欲しいと前置きの言葉をそっと置く
「あまり聞くのは申し訳ないと思ってる。ライラ…お前はどこか、別の世界から来たんじゃないのか？」
どこの地名も聞いた事が無いというポイントに着目したデボルは直感したらしい
言い当てられてしまった私は言い逃れの猶予もないこの状況に、素直に首を小さく縦に振り、肯定の意を示した
直ぐに見破られしまうだろうと思ったが、ここまで早いとは…
それに双子の姉妹は悲しそうに、それでもどこか安心したような顔でデボルさんは私の頭を優しく撫でながらこう言った
＿＿教えてくれてありがとう
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えると凄く嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (
レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます！ (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます！頑張ります！ (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです！ 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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