#036 ページ41
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「ニーア君、どうかしたの?」
「ううん、何でもないよ。それで、どうやって『白の書』は世界を救う事になってるんですか?」
「さあね?……あたしもそこまで詳しく理解して歌ってるわけじゃないし」
「そうなんだ……」
ていうかそうだったんだ…
変に捻くれている私の感想はそれで、純粋なニーア君は素直に受け取る
「しょげるなよ。物知りポポルに聞いてみたらどうだ?何か知ってるかもしれないし」
「そうですね。どうも、ありがとう!」
「白と黒の書……。…病……」不思議な事を呟きながら、図書館へ向かう私達
__私も予想はしてみた。イニシエの歌の歌詞にあるという『白の書』と『黒の書』、『病』、即ち『黒文病』
デボルさんの言う村の『言い伝え』がもし本当なのだとしたら、簡単に言ってしまえば「白と黒の書が揃えば、ヨナちゃんだけでなく『黒文病』にかかってしまった全ての人々を助ける事が出来る」という事になる
しかしこれはあくまでも『言い伝え』。真実か否か……、知るのは太古に存在した人々か、ポポルさんぐらいになるが、ポポルさんが全て知って判っているとは限らない__
「何を考えておる小娘。そうしてボーッとしていると……」
続きの言葉を紡ごうとした直前、ニーア君は目の前にある階段で足を引っ掛けてしまい、ベタっと階段に沿うように躓く
「ああなるからな」
「今更過ぎるよ」これは私とニーア君が同時につっこんだ
そしてあっという間に館長室へと着き、ギギギッと重い扉を開くと奥には神妙な面持ちをしたポポルさんが出迎える
「……ヨナちゃんのことは聞いてるわ。本当に何て言ったらいいか……」
「そのことでお願いがあるんです。デボルさんが歌っていた『イニシエの歌』について教えてもらえませんか?」
単刀直入、簡潔的に言葉を並べ、ニーア君は話を始める。先程と似てポポルさんも姉と同じように彼の横でフワフワと浮く書物に気づく
こちらが何も言わずに『白の書』と気づくというのはさすが博識だ。しかもそこからどこをどうやって連想させたのか、『イニシエの歌』についての話を早速始める
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友那(プロフ) - イヴィさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えると凄く嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2017年7月1日 11時) (レス) id: b577400daf (このIDを非表示/違反報告)
イヴィ - とっても面白いです一気に読んでしまいました(//∇//)続きがすんごく気になります更新頑張って下さい応援してます! (2017年6月30日 23時) (レス) id: 83661986d6 (このIDを非表示/違反報告)
友那(プロフ) - テュランさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2017年3月22日 11時) (レス) id: 80bca4f763 (このIDを非表示/違反報告)
テュラン - 面白いです! 続き待ってます (2017年3月22日 9時) (レス) id: 5013c95259 (このIDを非表示/違反報告)
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